ドメーヌ・マルシャン・グリヨ ジュヴレ・シャンベルタン 2014
醗酵:ホーロー・タンク 主醗酵後、オーク樽にてマロラクティック醗酵
熟成:オーク樽 18カ月(仏産・ルクセンブルグ産、228L、新樽比率33%)
【テイスティング・コメント】
ほんのりとオレンジが混ざるルビー、落ち着いたローブ。粘性は中程度よりやや高め。アロマは魅惑的で、チェリーやラズベリーなどの赤い果実、キルシュ、桜、アカシアを思わせ、シナモンやアニス、少しビターなオレンジピールの香りがアクセント。品の良い樽香は果実香を尊重し、他に茸、栗の渋皮、紅茶、湿った土、ミネラルのニュアンスが現れ複雑性が増す。アタックはソフト、旨みがじんわりと口中に染み渡るジューシーな果実感、伸びやかな酸とのバランス。アペラシオン特有のしっかりとした骨格はもちろんあるが、まろやかで仄かな甘味が心地よい。香り、風味の広がりが素晴らしく、芯の強い味わい。溶け込んだタンニンはしなやかでコクを備えたミディアムからフルボディタイプ。今飲んでとても美味しい、フレッシュなピノ!(熟成も可能)合わせるお料理は、牛や鴨肉のロースト、鶏肉の赤ワイン煮、イクラの醤油漬け、寿司、赤身マグロのカルパッチョ、ウオッシュチーズなどがおすすめ。
※2016年11月試飲
■ドメーヌ・マルシャン・グリヨ
ジュヴレ・シャンベルタンの地で受け継がれてきた記憶
モレ・サン・ドニのマルシャン家とジュヴレ・シャンベルタンのグリヨ家はそれぞれブドウ農家として生計を立てていました。そして1950年、この両家が結ばれ、ジュヴレ・シャンベルタンの地にドメーヌ・マルシャン・グリヨが誕生しました。現在の当主ジャック・マルシャン氏で7世代目となります。世代を超えて受け継がれてきた知識と彼自身の豊富な経験を生かし、畑、土壌、葡萄、そしてワイナリーの良さを生かした伝統的なワイン造りを行っています。
丁寧な手作業。除草剤・殺虫剤不使用の健全な畑
ブドウ栽培は基本的には全て手作業で行います。一本ずつ丁寧に剪定、摘芽を行い、収量とブドウの質を調整しています。土壌は、雑草の繁殖を防ぐ目的と浸食を軽減する目的で頻繁に耕しています。サステーナブル農法を実践し、不要な化学物質は使用しません。土壌の保護を第一に考えています。マルシャン・グリヨの所有する畑では約20年前から除草剤、殺虫剤を使用しておりません。収穫後は、非常に厳しい目を持った選果チームが一房ずつ確認、完璧に成熟したキレイなブドウだけを選び醸造しています。
テロワールを重視し、可能な限り自然に任せた醸造
醸造は家族全員で協力して行います。ワイン造りは、直観と、科学の知識、そして忍耐が結びつく熟練の技です。彼らが先代より受け継ぎ、さらには自ら身に着けてきた知識と経験が各キュヴェに反映され、それぞれの特長や個性、つまりはテロワールの表現につながると考えています。特にアロマにそのアペラシオンの特徴がよく表れると考えています。発酵は天然酵母に任せSO2やその他の添加物の使用は最小限に留めています。