ドメーヌ・ロジエ ブランケット・ド・リムー ブリュット 2014
リムーの伝統品種モーザックを主体にしたスパークリングワイン。ブランケットは、残糖10g/lを目安に造っています。収穫量は50hl/haです。熟成期間は9ヶ月です。鮮やかなオレンジ色のラベルが目を引きます。
【テイスティング・コメント】
黄金がかったペールイエロー。粘性は中程度からやや低め。香りにはリンゴや洋梨、白桃などの生き生きとした果実香に朗らかな春の花々、そしてメンソールやアニス、トースト、鉱物的なミネラルのニュアンスが混じり合う。口当たりは柔らかでエキス分が充実しており、辛口にして仄かに残糖感を伴う。もちろん果実由来の純粋な甘さ(旨みと言おうか)であり、味わいは自然そのもの。リンゴ、シードルを思わせる風味が広がり、適度なスパイシーさ、ほろ苦いアフターへと続く。親しみやすい果実味に加え、バランスのとれたすっきりとした酸も好印象。それぞれの要素がバランスよくまとまっている。合わせるお料理は、アペリティフはもちろん、和食全般、寿司、魚介を中心とした料理、鶏肉のローストなどがおすすめ。
※2016年12月試飲
■ドメーヌ・ロジエ
手掛けているワインは、ブランケット・ド・リムーとクレマン・ド・リムーです。葡萄畑は標高300mのなだらかな斜面の丘に位置しています。土壌は、粘土と石灰質です。気候は大陸性気候の影響を受けています。過剰な施肥、トラクターによる土壌硬化、除草剤の常用を避け、土を深く耕し、土壌の自然なバランスを保ち、病気への耐性を高めるようにしています。葡萄が大量に必要となるため、使用する葡萄の80%は20人の農家からの買い取りで、彼らとは20年来の付き合いです。
醸造には、冷水が循環するシステムのタンクを使用しています。除梗破砕せず圧搾します。イノックスのタンクに絞ったジュースを一日入れて、4度まで温度を下げ、澱を沈殿させます。18度にコントロールしながら、品種ごとにタンクで15日間発酵させています。発酵後のワインは、外の保管庫に入れます。ここは、温度コントロールのシステムはありません。なぜなら、タンクに入れる時期にはすでに寒いので、その必要がないからです。熟成が終わったら、ジロパレットに入れて、一週間機械で回します。2~3日で澱を集められますが、念のため一週間置いています。
目指すはピュアな葡萄の味わい
他の生産者との違いは、オーガニックで造っていることです。自然なナチュラルテイスト、バニラや木の味ではなく、ピュアな葡萄の味わいを目指しています。自然な味わいこそ、自分たちの味と考えています。平均的な味わいにする為に、1.毎年同じ作業をすること。2.試飲して同じように造ること。3.酸をコントロールして、同じ程度に抑えています。また、1980年頃から同じエノログと作業していて、毎週分析しています。