ワイナリー訪問記「ファミーユ・ヒューゲル -アルザス-」
ファミーユ・ヒューゲルは創業が1639年の老舗ワイナリーで、ブドウ畑と城壁に囲まれた美しい街「リクヴィール 」の中心に位置します。「ヴァンダンジュ・タルディヴ」や「セレクション・ド・グラン・ノーブル」などのアルザスの遅摘みワインの開拓者であり、それらのワインを管理する為の法律もつくるなどアルザスワインの発展に大きく寄与してきた、まさにアルザスワインの重鎮的存在といえる造り手です。
先ずはbrand managerのケヴィンさんにセラーを案内してもらいました。セラーは16世紀の建物の地下につくられており、大きなフードルが列をなし、中には1世紀以上も前の樽(ギネスブックにものっているかの有名な1715年のセント・カトリーヌ)もありました。そして発酵時の温度調節や瓶詰め作業の機械化等には最新の技術が取り入れられており、全てのワインはそれぞれの製造過程に於いてヒューゲル家のメンバーによって厳格に管理されています。
次いでジープで畑に移動。畑では12代目のマークさんも合流し、土壌やブドウ樹等の説明を受けました。強い日差しの下、暑かったですがそれ以上に熱く語るマークさんからヴィニュロンとしての情熱がひしひしと伝わってきました。
その後ワイナリーに戻り、いよいよデギュスタシオンです。次々とコルクが抜かれ、圧巻の19種類!スタンダードラインからエステイトボトル、そして桁違いのスケール感と複雑さをもったシェルハマー等のワインを、グレードの違う同品種を飲み比べるなどしてその違いを確認しました。
辛口から甘口まで一切の妥協を許さないファミーユ・ヒューゲルのワイン。改めてその実力を思い知らされました。