2018年10月
表情が豊か、幾分軽やかな印象も良い意味でシンプル「ジョセフ・グリュス クレマン」
生産者のジョセフ・グリュス・エ・フィスは、アルザスワイン発祥の地、エギスハイム村に拠点をもち、現在3代目当主となるアンドレ・グリュス氏が家業を継いでいます。栽培はリュット・レゾネを実践し、自家製の堆肥を必要に応じて使用しています。常に畑を観察し、闇雲に薬剤を使うことはしません。手摘みによる収穫と自然発酵にこだわりをもち、安定した品質が人気を呼んでいます。
本日はシャンパーニュ製法のスパークリングワイン、クレマン・ダルザスをご紹介します。ピノ・ブランにオーセロワ、リースリングを巧みにブレンドし、繊細でドライな味わいに仕上がっています。
ジョセフ・グリュス・エ・フィス クレマン・ダルザス・ブリュット NV
Crémant d’Alsace Brut /Joseph Gruss et Fils
香りには擦りおろしリンゴやピーチ、アプリコット、オレンジの花、アカシアを思わせフルーティーかつ華やかで、軽いバニラやナタデココ、ナッツのヒント。アクセントに石灰的なミネラルのノートが感じられ、洗練された趣がある。口に含むとなめらかで繊細な発泡、鮮やかな果実味が柔らかに広がりフレッシュでピュア。表情が豊かで、幾分軽やかな印象も良い意味でシンプル、ストレートにその風味・旨みが体現できる。極めてドライでキレのよい後味、フィニッシュはさっぱりとしている。
合わせるお料理
食前酒はもちろんカナッペ、手巻き寿司、白身魚のグリル、鶏レバー、中華、豚肉のしょうが焼き、繊細な食材を使った料理など。
産地:フランス アルザス地方
品種:ピノ・ブラン、オーセロワ、リースリング
タイプ:スパークリング 白 辛口
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懐かしきラムネのような風合い「クロスターゼクト・ブリュット」
シュティフト・クロスターノイブルク
1114年にアウグスティヌス派修道院のなかに建てられたクロスターノイブルクはオーストリアで最も古い醸造所の一つであり、信者から寄進された108haの畑は国内最大規模を誇っています。現在活躍する醸造家の多くがここに併設された醸造学校や研究所の出身で、常にオーストリア・ワイン文化の中心にあったといえるでしょう。これまでにリリースしたヴィンテージはなんと900。ヴァグラムだけでなく、周辺地域にも広がる畑の多様な土壌から多くの品種を栽培していますが、特に40haと世界最大の生産量をもつザンクト・ラウレントに力を入れています。
本日はスパークリングワインをご紹介します。爽やかな飲み心地と、リンゴや洋梨、白桃、新鮮なシトラスのアロマが魅力的。アペリティフはもちろん前菜やデザートなどとも合わせていただけます。
シュティフト・クロスターノイブルク クロスターゼクト・ブリュット NV
Klostersekt Brut /Stift Klosterneuburg
外観はパールにややグリーンのトーン、繊細な泡立ち。香りはリンゴや洋梨、白桃、新鮮なシトラスのアロマが魅力的で、続いてスイカズラや鉱物、塩気、たっぷりとしたミネラルのニュアンスが感じられる。洗練された趣があり、フルーティーかつエレガントなアロマが際立っている。口に含むと爽やかでスムーズながら酸がしっかりと効いており、私的には懐かしきラムネのような風合いと、さっぱり感はレモンスカッシュを思わせる。ストレスを感じさせないまでの飲み心地で、酸味と果実味とのバランスが長けておりスイスイと杯が弾む美味しさ。純粋で、ストレートにその美味しさが堪能できる。スターターにはもってこいの泡、抜群のパフォーマンスで魅せる。
合わせるお料理
アペリティフはもちろん前菜、寿司、甲殻類や魚介料理、フルーツの盛り合わせなど。
産地:オーストリア ウィーン
品種:ヴェルシュリースリング、グリューナー・ヴェルトリーナー
タイプ:スパークリング 白 辛口
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ご存知ですか? "ロートギプフラー"と"ツィアファンドラー"
ロートギプフラー”と“ツィアファンドラー” Rotgipfler X Zierfandler
日本ではあまり聞きなれない葡萄品種“ロートギプフラー”と“ツィアファンドラー”は、ほぼオーストリアのニーダーエステライヒ テルメンレギオンでのみ栽培されている希少な固有品種です。前者はトラミネールとローター・ヴェルトリナーの交配種で、後者にいたっては未だ未特定のようですが前述のトラミネールとローター・ヴェルトリナーとの関係性があるとも考えられています。互いにブレンドされることが多い兄弟品種で、完熟したブドウから高いエクストラクトExtraktと心地よい酸、繊細な香りを持ったワインが生まれます。 オーストリアを代表する葡萄品種“グリューナー・ヴェルトリーナー”に続き、最近目にするようになりました。
ワインは「ヨハネスホフ・ライニッシュ」から。
まずはロートギプフラー100%。エレガントで力強く、クリーミーで官能的な柔らかさ。
サッツィング・ロートギプフラー 2013
Satzing Rotgipfler /Johanneshof Reinisch
香りには熟れたピーチやアプリコット、ライチ、ジャスミン、そして木樽由来のバニラやスモーキーな香りをアクセントに、洗練されつつもほんのりと甘さがありエレガント。ハチミツの香りやオイリーなニュアンスと、僅かに塩気が感じられ複雑性に富んでいる。口に含むとなめらかでパワフルなボディ感。テイストは丸く柔らかで、「構造」を伴う「厚み」が感じられる。香り同様にほんのりと甘さのある果実味がゆったりと広がり、風味は違えどそのボリュームと質感は、上質なシャルドネを彷彿とさせる。未だ鮮度がありプリッとした食感と、余韻の長さが秀でている。飲み頃温度はやや高く10~12度と高め、冷やし過ぎにご注意を。
合わせるお料理
クリームソース系料理、チキン、天ぷら、寿司、アジアン料理など。
続いてブレンド(ツィアファンドラー60%、ロートギプフラー40%)。エキゾチックな果実のアロマ、活気があり次第にふくよかさが増していく。
グンポルツキルフナー・トラディツィオン 2016
Gumpoldskirchner Tradition /Johanneshof Reinisch
香りにはマンゴーやライチ、アプリコットなどのフルーティーなアロマが支配的で、スパイスのヒントにジャスミンやポプリ、柑橘類の皮、ジンジャーを思わせる。そして洗練されたミネラルのニュアンスと、僅かに塩気も感じられる。口に含むと爽やかで、ジューシーな果実感。活気に満ち溢れた爽快な飲み口ながら、次第にふくよかさが増していく。酸味は穏やかで高密度なミネラルが味わいを支えておりしっかりとした構造をもつ。その上で柔らかな印象、味わい深き濃密さと心地よいさっぱり感を兼ね備えている。余韻も長く楽しめる。
合わせるお料理
お出汁系料理、寿司、揚げ物、鶏や豚肉のロースト、スパイシーなアジアン料理など。
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左:ロートギプフラー、右:ツィアファンドラー
純粋かつフェミニンなピノ「ヨハネスホフ・ライニッシュ ピノ・ノワール」
ヨハネスホフ・ライニッシュ
ウィーンの30kmほど南にあるテルメンレギオン地区は、緯度がちょうど47度で、気候や土壌もブルゴーニュに似ていることから、オーストリアのコート・ドールとも呼ばれています。ライニッシュ家は、この地域の中ほどにあるタッテンドーフの町で1923年にワイン造りを始めました。
現当主のヨハネスで4代目。家族で営むワイナリーで、幼いころから父が葡萄畑で働く姿を見て自然に家業に加わったといいます。ビオディナミを取り入れた有機農法で葡萄を栽培し、その8割は野生酵母で自然に発酵させています。彼は自らをワインメーカーでも生産者でもなく「ワイン・コンパニオン(ワインの友達)」と呼ぶことを好みます。『ワインを造るのではなく、其々の畑の葡萄の果実味やフレーバーがワインになるのを手助けするのが自分たちの役割だ』と考えています。
本日はピノ・ノワールをご紹介します。ブルゴーニュ ピノ・ノワールの高騰が続く中、彼らのピノは値頃感があります。
ヨハネスホフ・ライニッシュ ピノ・ノワール 2016
Pinot Noir /Johanneshof Reinisch
香りには新鮮なラズベリーやストロベリー、プラムなどの果実香に赤い花、ポプリ、ドライハーブ。そして木樽由来の上品な樽香、クローブやシナモンなどのスパイスの香り、軽いロースト香がアクセント。アタックはなめらかで軽やか。エキス分が充実し辛口にしてほんのりと甘く、純粋かつフェミニンな個性が光る。フルーティーだが酸がしっかりとしており、味わいがぶれずにエレガントなスタイルに仕上がっている。ミディアムボディで親しみやすく、目の覚める様な鮮やかさと、うっとりとするアフターが印象に残る。
合わせるお料理
仔羊や鴨肉のロースト、鴨肉と葱の鍋、スモークサーモン、手巻き寿司、パスタ、茸料理など。
産地:オーストリア ニーダーエステライヒ テルメンレギオン タッテンドルフ
品種:ピノ・ノワール100%
タイプ:赤ワイン ミディアムボディ
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JALUX「プレミアムワイン試飲会 2018」
JALUX プレミアムワイン試飲会 2018
200周年を迎えたビルカール・サルモンをはじめ、看板のシャンパーニュ・メゾン″ジョセフペリエ″を筆頭に、ジョルジュ・リニエ、カレラ等、レアアイテムを多数テイスティング。 ジョセフ・ペリエは、今日ほどゆったりとテイスティングする機会に恵まれず、改めてその品質の高さを認識。ボトル形状の変更に伴い、ベースワインも大きく変更があったのでしょうか。過去の印象が良い意味 で払拭されました。
カリフォルニアでは、メジャーなところではカレラ・セレクションが、玄人受けではタリー、デュモルがとてもよく、この辺は名前に踊らされると本質を見謝ってしまう。味わい深いが、それでいてエレガントなワインが多く、今後のラインナップに活かしていきたいと思います。 気になるワインは追ってご案内をさせていただきます。
驚愕のロゼ「ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ タヴェル・ロゼ ラ・レイヌ・デ・ボワ」
うっとりするほどの華やかなアロマ。
ロゼとしては驚くほどの質感と、オイリーさが印象的。
ローヌ南部のスーパースター“ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ”が手掛けるタヴェル・ロゼ。テロワールをリスペクトし、本物を造ることに尽力している彼らのワイン造りのスタイルは、マニュアルは一切なく感性によるものが大きいといいます。ヴィンテージ毎に醸造方法は異なり、その年その年の多彩な個性を見事に表現しています。
この“ラ・レイヌ・デ・ボワ”は彼らがつくるタヴェル・ロゼの中でも最高クラスの位置づけです。モルドレ・ラヴァーはお早めに。こちらは限定品でのご案内です。
ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ タヴェル・ロゼ ラ・レイヌ・デ・ボワ 2017
Tavel Rose La Reine des Bois /Domaine de la Mordorée
香りにはラズベリーやストロベリー、ザクロなどの赤い果実香を基調にオレンジ、チェリーシロップ、バラの花びら、アカシア、ジャスミン、アニス、ほろ苦いミネラル(アクセント)のノートが混じり合う。誘惑的で広がりのある豊かな芳香。うっとりするほどの華やかさで、何にもまして品が良くエレガントな趣。口に含むとなめらかで、ふくよかなボディ感。粘性を感じトロミすら覚える触感と、果実味が豊かで旨みがじんわりと滲み出る様は、何とも味わい深いもの。エレガントだがフルボディで、ロゼとしては驚くほどの質感と、オイリーさが印象に残る。味わいとしては極めてドライで、口に含んだ瞬間に、その美味しさが口中を駆け巡る。余韻の長さも突出している。
合わせるお料理
豚肉の生姜焼き、鶏肉のトマトソース煮、酢豚、ニンニクとトマトをベースにしたスパイシーな料理、魚介スープ、ニンニクを使ったアジアン料理など。
産地:フランス コート・デュ・ローヌ地方
品種:グルナッシュ60%、クレレット15%、シラー15%、サンソー10%
タイプ:ロゼワイン 辛口
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コート・ロティに君臨する北部ローヌの盟主「E.ギガル」
コート・ロティに君臨する北部ローヌの盟主「E.ギガル」
とかく単一畑のコート・ロティやコンドリュー、エルミタージュなどの上級キュヴェばかりに目が向きがちですが、スタンダードラインもすこぶる品質が高いことで知られています。
香りの集中度が強く、全体的にまろやかな味わいの“コート・デュ・ローヌ・ルージュ”は、日常の食卓でオールマイティに楽しめる定番中の定番。一方、“クローズ・エルミタージュ・ルージュ”は、平均樹齢35年のシラーを使用し、品種特有の力強い味わいはもちろんのこと、口当たり柔らかな辛口に仕上げ味わうほどにその美味しさが込みあがってきます。合わせるならば、牛・ラム肉のロースト、ジビエ、焼き肉など。またウナギの蒲焼やラタトゥイユとも相性がいいです。
E.ギガル コート・デュ・ローヌ・ルージュ 2014
Côtes du Rhône Rouge /E.GUIGAL
香りにはブラックベリーやプラム、コンポートのようなほんのりと甘い果実香にスミレ、ペッパー、そして木樽由来のロースト香やナツメグ、クローブなどのスパイシーな香りが混じり合う。アタックはソフトでなめらか。豊かな果実味が瞬く間に広がり、その上でしっかりとした張りが感じられる。飲み口としてはスムーズで、全体にまろやかな味わいに仕上がっている。アルコール分の高さを嫌みに感じさせないまでの親しみやすさ、品がよくそれぞれの要素がバランスよく溶け込んでいる。
品種:シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル
タイプ:赤ワイン ミディアムボディ
E.ギガル クローズ・エルミタージュ・ルージュ 2013
Crozes-Hermitage Rouge /E.GUIGAL
香りはやや閉じ気味にも次第に開花する。ブラックチェリーやブラックベリーなどの果実香、ドライフルーツ的要素があり、ユーカリやブラックペッパー、奥にはラベンダーやアニスのノート。加えて木樽由来のバニラやクローブ、タバコ、コーヒー、芳しい香りがアクセント。アタックはソフトでなめらか。タンニンは丸みを帯びており、酸味は穏やかでバランスがとれている。品種特有の力強い味わいはもちろんのこと、口当たり柔らかな辛口で、味わうほどにその美味しさが込みあがってくる。洗練されたフルボディ、余韻も長く楽しめる。
品種:シラー100%
タイプ:赤ワイン フルボディ
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シャンパーニュ ベスラ・ド・ベルフォンとお鮨のマリアージュ in かた田 Report
シャンパーニュ ベスラ・ド・ベルフォンとお鮨のマリアージュ in かた田
まずはウエルカムシャンパーニュで喉を潤していただきました。
「キュヴェ・デ・モワン ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ NV 1500ml」
こちらはマグナムボトルで。「ピュア、スマート、エレガント」というメゾンの目指すスタイルそのままを表現した一本。ラインナップの中で一番フレッシュなテイストに仕上がっています。
そして、一品料理。
・酢の物 毛蟹
・和え物 鱈の白子、なめこ、えのき
・ボタン海老と松茸 お出汁
・カマスのポン酢
・シャコの揚げ物
一品料理では、「ブリュット NV」と「エクストラ・ブリュット NV」を飲み比べていただきました。
・鮨
鮨では、「ブリュット・ロゼ NV」と「ブリュット ミレジム 2006」をご堪能いただきました。
「すし かた田」の繊細な味わいをより引き立てる、軽やかで優雅なシャンパーニュ“ベスラ・ド・ベルフォン”。ご参加いただいた皆様にはたっぷりと喜んでいただけたと思います。楽しいひとときをありがとうございました。
出品アイテム「ベスラ・ド・ベルフォン」より
キュヴェ・デ・モワン ブリュット NV
キュヴェ・デ・モワン エクストラ・ブリュット NV
キュヴェ・デ・モワン ブリュット・ロゼ NV
キュヴェ・デ・モワン ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ NV
キュヴェ・デ・モワン ブリュット ミレジム (ワイン会当日は 2006年ヴィンテージ)
※参加者様にはFacebook、webページに掲載する旨、ご了承いただいております。
「ビルカール・サルモン」200周年記念ディナーイベントに参加させていただきました
シャンパーニュ ビルカール・サルモン200周年記念ディナーイベント
~美食とのマリアージュ~
自身、久方ぶりとなる「ビルカール・サルモン Billecart-Salmon」のディナーイベントに参加させていただきました。会場は開業2周年を迎えるフォーシーズンズホテル京都にて。
ウェルカムシャンパーニュ
北海道ホタテ貝のカルパッチョ トリュフとオリーブキャビアと共に
オマールブルーのソテー ビーツのビネグレット ガレットを添えて
甘鯛のヴァプールとタラバ蟹のサラダ ブリュット
ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ Brut Blanc de Blancs NV
仔牛のロティーとフォアグラのソテー
季節のフルーツ
ビルカール・サルモン・サバイヨンソース
ビルカール・サルモンは個人的にも思い入れのあるシャンパーニュで、200周年という節目のイベントに参加でき、大変嬉しく思います。6代目当主アントワンヌ・ローラン= ビルカール氏とは、過去に何度かお会いしましたが、普段はキリリとした表情で風格のある面持ちも、この日ばかりは頬がほころび目尻が下がって見えました。 お料理も美味しく、シャンパーニュとのマリアージュもとても素晴らしかったです。特別なひとときをありがとうございました。