アンリ・ダルナ ムルソー クロ・デュ・ドメーヌ 2017
「Les Meix Chavaux」「Les Petits Charrons」「En Luraule」「Les Casse Têtes」「Les Pelles-Dessous」「Les Millerands」の6区画合計で1.92ha。平均樹齢約45年。新樽率3分の1で12ヶ月間熟成。
テイスティング・コメント
グリーンがかった淡いイエローにシルバーのトーン。粘性は中程度よりやや高め。アロマはフルーティーで、熟した洋梨やリンゴ、パイン、ネクタリン、菩提樹、花の蜜を思わせ、バニラやトーストなど芳しいオークのノートが混ざり合う。続いてロースト感のあるアーモンドやヘーゼルナッツ、鉱物的なミネラル香。繊細さを引きたてるスモーキーな香りが心地よいアクセント。口に含むとクリーミーでオイリーな印象。風味豊かでコクがあり上質なミネラルが感じられる。まっすぐで生き生きとした酸味が伸びやかに広がり、フレッシュな味わいの中、寛大で温かみがある。ミネラルが主体の近代的ムルソー、シルキーで洗練された飲み口は気品が漂い、アフターの余韻も長い。合わせるお料理は、仔牛や鳥肉のホワイトソース煮、オマールエビ、ホタテ、フォアグラのコンフィ、穴子・白身魚の鮨など。
2019年5月試飲
アンリ・ダルナ
1996年にモノポールに認定され当時大きな話題となった、「ムルソー プルミエ・クリュ クロ・リシュモン」の所有者、「アンリ・ダルナ」。ムルソー村に1850年から続く名門ドメーヌで、2000年に5代目アンリ・ダルナが継承しました。「すべてを、完璧に行いたい」という完璧主義者の彼は、ドメーヌを継いで以降、栽培と醸造の両面において求道者的な試行錯誤を繰り返し、やがて2006年ヴィンテージ頃から、ワインを別次元のものへと生まれ変わらせました。
「分かったのは、ムルソーとは本来ミネラリーなワインであるということです。僕自身、180度真逆に考えていました。この地ムルソーでぶどうを完熟させると、実にたっぷりとしたミネラルがワインに取り込まれます。これが、食事との相性を抜群にしてくれるのです」。
新次元のムルソーが誕生したことを理解した、パリの「ピエール・ガニェール」「ル・グラン・ヴフール」「アピシウス」「アラン・デュカス・グループ」といったトップレストランのソムリエ達、そしてフランス全土の錚々たるカーヴィスト達も、こぞってオンリストを開始しました。
「クロ・リシュモン」や、彼が独自に辿り着いた「ワイン造りにおける黄金比」を原理的に採用した特別作品「Le 611」は言うに及ばず、ブルゴーニュ・ブランから高い完成度です。
栽培:厳格なリュット・レゾネ。除草剤は一切使用しない
醸造:除梗しない。天然酵母のみで発酵。クラシックでナチュラルな醸造