スゴンデ・シモン ブリュット グラン・クリュ キュヴェ N NV
すべてアンボネイ産で、ピノ・ノワール3分の2、シャルドネ3分の1のブレンド。樹齢約35年のVV。現在販売中のものは、2012年産が50%、ヴァン・ド・レゼルヴ(1983年産~2011年産)が50%。ドザージュは11g/l。「N」は4代目ジャン・リュックのご子息の名前「Nicolas」(ニコラ)の頭文字です。
テイスティング・コメント
黄金がかったペールイエロー、持続性のある泡立ち。香りはピーチや洋梨のコンポート、チェリーやストロベリーなど赤い果実のアロマにユリ、トーストのヒント。さらにナツメグやジンジャーなどスパイスのニュアンス。全体的にクリーンな印象、香りの幅に奥行があり新鮮さと成熟度のバランスがとれている。口に含むとスムーズでジューシー。まろやかな旨みがしっとりと凝縮しボディ感がある。質感はしなやかで、フィネスを纏うなめらかさ。上品な酸が緻密さを与え、味わいはドライ、洗練されている。合わせるお料理は、食前酒、魚介料理、天ぷら、寿司、和食全般、オリエンタルスパイスを使った白身肉料理など。
2019年5月試飲
スゴンデ・シモン
モンターニュ・ド・ランスのアンボネイ村に1866年に設立された名門で、1983年に4代目ジャン・リュック・スゴンデが継承しました。所有する6ヘクタールの畑はすべてアンボネイ・グラン・クリュです。
年間60000本の生産キャパシティがありますが、長年にわたって、栽培と醸造のあらゆる細部まで、自身の目が十分に行き届く限界であろう21000本に生産量を限定して「量より質」を貫き、残りは「クリュッグ」や「ルイ・ロデレール」などに販売してきました。「特にクリュッグとは19世紀からの付き合いで、ずいぶん前から、自分たちが最大の供給元になっていると語ります。
やがて2011年、娘婿のジェローム・ボールが参画したことで転機が訪れました。一貫して工学系の道を歩んできた彼は、その高い知性と熱き志をもって義父の心技を継承。彼の献身によって、自家醸造作品への使用にふさわしい最高品質のぶどうの収穫量を大きく増やすことができるようになりました。翌2012年にはラベルデザインも一新。世界を顧客対象とするグラン・クリュRMの運営を行うための必要十分条件はここにすべて満たされ、「スゴンデ・シモン」の新たな歴史が始まりました。
尚、ジャン・リュックの息子ニコラ(ジェローム・ボールの奥さんの兄)は、1993年にプロのエノローグ(醸造コンサルタント)となり、以来数多くのRMの指導を行ってきました。現在はさらなる研鑽を兼ねてアルザスの大手ワイナリーの醸造長の要職にありますが、栽培・醸造両面における最新理論および無数の実践経験より極めた有形無形のノウハウのすべてが、実家「スゴンデ・シモン」のシャンパン造りに投影されています。
栽培:1996年、シャンパーニュ地方のリュット・レゾネ実践団体「マジステール」に、アンボネイ村で初めて加盟。以降、実質ビオロジーの極めて厳格なリュット・レゾネ栽培を実践(化学肥料、除草剤、殺虫剤は一切しない)。2018年にHVE(Haute Valeur Environnementale)の最高段階「レベル3」の認証を取得。
醸造:小型のタンクで区画ごとに醸造。マロラクティック発酵を行う。動瓶はすべて手作業。ドザージュはMCR(濃縮ぶどう果汁)を使用。