セリエ・ド・ラ・バラトリ クリュエ・ジャケール 2018
クリュ「クリュエ」からのジャケール100%による白ワイン。0.8ha。粘土石灰質土壌。平均樹齢60年のVV。
テイスティング・コメント
輝きのあるストローイエローに僅かにグリーンのトーン。粘性は低め。香りはフローラルかつ清涼感が漂い、白い花、レモンやライムなどの柑橘類、ライチ、ハーブを思わせる。そして特徴的な酵母のニュアンスに、少しスモーキーさを感じさせながら石灰的なミネラルのノートが加わる。口に含むとフレッシュでなめらか。潮風のような爽快感が口中を駆け巡りミネラルと共にクリーンな酸が味わいを支える緻密な構造。しっかりとした酸味ながらも優しく、アフターにかけて青リンゴのような爽やかな果汁、エキス分を感じる。サッパリとしていてドライで、引き締まったフィニッシュ。心地よい塩味が食欲をそそる。合わせるお料理は、サラダ類、魚介料理、鶏や豚などの白身肉料理、和食、ジャガイモとチーズのグラタン、ラクレットなど。
2019年7月試飲
セリエ・ド・ラ・バラトリ
セリエ・ド・ラ・バラトリはサヴォワ地方南部、「ヴァン・ド・サヴォワ」の17のクリュのひとつでもあるクリュエ村に、2014年に誕生した新星ドメーヌです。
継承する畑を持たなかったジュリアン・ヴィアナは、通常の栽培・醸造学の他に特別な栽培の学位(Licence de Pro Viticulture)を修めた後、アルバンの「シャトー・ド・メランド」での修行を経て、出身地クリュエのリウ・ディ「ラ・バラトリ」に0.8haの畑を購入して自身のドメーヌを設立しました。その後フェルマージュなどによって栽培面積を拡大しながら、すべての畑をビオロジー栽培に転換。最短の2017年に「セティパック・ビオ」の認証を取得しました。
「畑仕事は嘘をつかない。僕の座右の銘です。化学肥料や農薬は一切使用せず、この地サヴォワの大自然の結晶としてのワインを造りたいと思っています」。
「僕が考えるサヴォワのテロワールの本質はミネラルにあり、このミネラルを損なわないよう、自然な醸造を心掛けています。スモーキーな香気や塩味こそ、お料理のベストパートナーです」。(ジュリアン・ヴィアナ談)
実際、彼のワインは、仏ミシュラン3つ星の「フロコン・ド・セル」や「ラ・ブイット」をはじめとして、フランスきっての美食の地として知られるサヴォワの数十軒のレストランにオンリストされています。
美しい果実感をふわりと感じさせながら、液体はすっと喉を通って消えていく。たっぷりとしたミネラルの塩味はいつまでも口に残り、お料理の美味しさを際立たせる。かの地のレストランの窓から見えるアルプスの山々、森や湖の景色が、眼の前に広がるかのようです。
栽培:2014年の創業時よりビオロジー栽培(2017年にCetipaq Bio認証取得)
醸造:除梗しない。天然酵母のみで発酵