プラーガー グリューナー・ヴェルトリーナー ヒンテル・デル・ブルク フェーダーシュピール 2018
ヒンテル・デル・ブルクはヴァッハウ、ヴァイセンキルヒェン村にあるミカシスト(雲母片岩)の土壌。葡萄は10月初旬から中旬にかけて収穫。醗酵、熟成ともにステンレススティールタンクで行われ、収穫の翌年の春頃に瓶詰めされます。
テイスティング・コメント
輝きのあるグリーンがかったレモンイエロー。香りは新鮮なリンゴや白桃、パインに、レモンピール、グリーンハーブ、ホワイトペッパー、ピリリと辛い唐辛子。エキゾチックなニュアンスを醸し出し少しスモーキーなミネラルのノートが心地よいアクセント。そして後に魅惑的な花の蜜のヒント。アタックは爽やかで、ピチピチと弾ける快活な飲み口。ジューシーさとドライ感が絶妙のハーモニー。クリスピーで、張りのあるフレッシュな酸とのバランスがよく軽快にして質感がある。リンゴや柑橘果実、石、溢れんばかりのミネラル・・・。明確な構造、ミネラルが軸となり「繊細」な果実味と酸味、抜群の透明度。フィニッシュのキレがよく塩味を伴う爽やかな余韻へと誘ってくれる。合わせるお料理は、魚介料理、寿司、和食、スパイシーなアジアン料理、ローストチキン、サラダ類など。
2019年8月試飲
プラーガー
オーストリア、辛口白ワインの銘醸地ヴァッハウ4大巨匠の一人
Falstaff 5つ星ワイナリー
プラーガーでは、過去から受け継がれた伝統を育み続けています。すでに何世代にも渡って、この地でブドウ栽培を行ってきました。プラーガー家では、ミヒャエルボイア修道院の世襲権に関する書状の原本が保管されています。この中には1715年に3カ所のブドウ畑についての記載がありますが、今日まで変わらずプラーガー醸造所がこの銘醸畑「リツリング」「ヒンター・デル・ブルグ」そして「レーバー」を所有しています。
フランツ・プラーガーはヴァッハウ一帯のブドウ栽培の先駆者の一人に数えられ、プラーガーのワイナリーをヴァッハウの中でも屈指のワイナリーに育て上げました。1983年には生産者団体「ヴィネア・ヴァッハウ」の発起人の一人として尽力し、この団体の独自のワイン格付けなどの取り組みもあって、生産地ヴァッハウはオーストリアの中でも特別なステータスを得るようになりました。フランツ・プラーガーは1988年まで、地域の環境保護連盟会長も務めています。
90年代初頭からは娘のイルゼと夫のトニー・ボーデンシュタインが醸造所の責任者の役割を担っています。
フィロソフィー
「ワインとはブドウ畑を表現したものでなければならない」をモットーに、造り手のトニー・ボーデンシュタインは個々の畑が持つ多様性、固有の地質そして微妙な局地気候が反映されたワイン造りを心がけています。ブドウ畑と醸造所では、自然が与えるわずかな違いを際立たせるよう作業を行っています。ヴァッハウ独自の規格に沿ったワイン造りでは、この土地の酵母を使うことが醸造所の哲学における重要なよりどころになっています。酵素も基本的に使っていません。ワインの発酵熟成は、繊細さとエレガンスを高めるためにステンレスタンクで行っています。伝統的手法を踏襲するだけではなく、最新技術も取り入れ品質向上を目指しています。
プラーガーのワインの特徴
間違えようのないストラクチャーに有ります、果実味がしっかりあり、テロワールの特性が反映されています。しっかりと発酵させたクラシックな「フェーダーシュピール」(アルコール度12%)および「スマラクト」(13%)のクラシックな辛口ワインの割合が最も大きいです。この特殊な生産地においてワイン醸造者であるということは、偉大な遺産の賜物を受け継いでいるということではありますが、同時に大きな挑戦でもあります。このためには、環境に優しい方法での畑の耕作、醸造のあらゆる過程を清潔に保つこと、また、もともとブドウに含まれ、自然で健康な保存剤である発酵の際の二酸化炭素を維持することです。発酵の際の二酸化炭素にはこの他、ワインの多数の貴重な成分が結合しており、こちらも維持されます。