シャトー・ド・フュイッセ ブルゴーニュ・ブラン 2017
ロッシュ・ヴェルジッソンにあるマコン・ヴィラージュの畑のシャルドネを100%使用。ミネラル味がしっかり感じられる、スムースな口当たりです。
テイスティング・コメント
輝きのある淡いイエロー。香りは新鮮なリンゴやグレープフルーツ、レモン、柑橘系の花のアロマに、鉱物や石灰、ミネラルのノートが心地よいアクセント。味わいはスムーズで、そしてピュア。適度にミネラルの骨格を感じながら果実味は柔らかに広がり搾りたてのリンゴや洋梨、レモンを想わせる。透明感のあるジューシーな辛口で、凛としていてキメ細かい酸味が調和したエレガントなスタイル。果実味とミネラル、酸味とが一体となりスッキリとしつつもふくよかで、凝縮した果実の旨みが堪能できる。合わせるお料理は、カナッペ、鶏ささみのサラダ、魚介料理、豚・鶏胸肉のソテー、アンチョビとドライトマトのパスタ、ゴルゴンゾーラのリゾットなど。
2019年8月試飲
シャトー・ド・フュイッセ
プイィ・フュイッセをブルゴーニュ地方南部の田舎酒からコストパフォーマンスに優れたスタイリッシュな辛口白ワインへと導き、世界に大きく広めたのが、5世代にわたってシャトー・ド・フュイッセを守るヴァンサン家。現当主は4代目のジャン・ジャック・ヴァンサンですが、造りの方は醸造学のディプロマをもつ息子のアントワーヌが取り仕切ります。
シャトーは15世紀に作られた五角形の塔とルネサンス様式のポーチが特徴的で、総計35haのブドウ畑を所有します。プイィ・フュイッセには3つの単一区画もの、「ル・クロ」「レ・コンベット」「レ・ブリュレ」があり、「テット・ド・クリュ」と呼ばれるキュヴェは最良の区画を選び抜きアッサンブラージュしたものです。また、「ヴィエイユ・ヴィーニュ」は1929年に植樹された古木も含め、若くても30年以上、平均樹齢50年のブドウから造られています。
栽培方法はリュット・レゾネを実践。醸造は、圧搾後の果汁は12〜18時間のデブルバージュののちアルコール発酵。サン・ヴェランとマコン・ヴィラージュにはタンクを用い、テット・ド・クリュは7割がオークの小樽(新樽は25%)、3割がタンクでの醸造となります。単一区画ものとヴィエイユ・ヴィーニュは100%樽発酵・樽熟成。レ・ブリュレとヴィエイユ・ヴィーニュは新樽100%、ル・クロの新樽率は70%、レ・コンベットには新樽を用いず、3〜5年使用済みの古樽で醸造を行います。
マロラクティック発酵はヴィンテージごと酸のバランスを見たうえで決め、2003年や2009年のようにまったくしない年もあります。2009年はバトナージュもしませんでした。ジャン・ジャックの時代は樽香が顕著に感じられたシャトー・ド・フュイッセのプイィ・フュイッセですが、アントワーヌが醸造を見るようになり、より洗練され、バランスのとれたワインへと進化しました。新樽100%のレ・ブリュレさえ、新しい時代を予感させるスタイルです。