ドメーヌ・ペロ・ミノ ヴォーヌ・ロマネ シャン・ペルドリ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2016
ブルゴーニュワインの神様、アンリ・ジャイエの最後の弟子と言われる「クリストフ・ペロ」。シャン・ペルドリの区画は小道を挟んで「ラ・ターシュ」の斜面上側に接する畑。樹齢45年。
テイスティング・コメント
輝き、やや深みのあるルビーレッド。香りはラズベリーやザクロ、プラムなど豊かな果実香が広がりスミレ、バラのドライフラワー、僅かに柑橘類の花のアロマに、スパイスのノートが混ざり合う。ローズヒップ、シナモン、クローブなどの香り。上品な樽のニュアンスが心地よく複雑で、洗練されたアロマが魅了する。口に含むとスムーズで、舌触りはビロードのようになめらか。気品がありミネラルを含む果実味が染み入るように口中を満たす。芳醇かつ艶っぽくフィネスを感じる中で、チャーミングな印象すら覚え味わいは親しみやすいもの。ジューシーで、エレガントさが共存し繊細なタンニンとのバランスが優れている。伸びやかなアフター、純粋さと優美さの見事なコラボレート。余韻の長さが突出している。合わせるお料理は、牛や鴨肉のロースト、ジビエ、鴨鍋、マグロの赤身の醤油漬け、寿司、チーズであればエポワスやサン・フロランタンなど。
2019年10月試飲
ドメーヌ・ペロ・ミノ
ドメーヌ・ペロ・ミノは、1973年にドメーヌ・アルマン・メルムがふたつに分かれて誕生しました。もう一方は道路を隔てて対面に位置するドメーヌ・トープノ・メルムです。
90年頃までワインの大半は桶売りされ、ドメーヌの評価もさほど高くはなかったのですが、現当主のクリストフ・ペロが修業から戻り、ワインを手がけるようになってこのドメーヌは一気にブレークしました。あのブルゴーニュワインの神様、アンリ・ジャイエの薫陶を受けたクリストフのワインは、香り高く果実味豊かで、若いうちから楽しめるスタイル。ほどなくして、ワインは全量ドメーヌ元詰めとなりました。
その後も破竹の勢いは止まらず、2000年には引退を宣言したヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・ペルナン・ロサンのブドウ畑を入手。元々のジュヴレ・シャンベルタンやモレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニーに、ヴォーヌ・ロマネやニュイ・サン・ジョルジュのクリマが加わりラインナップが驚くほど充実しました。
ブドウ栽培は化学合成肥料や除草剤を使わないリュット・レゾネを実践しています。ドメーヌの所有するブドウ畑は押し並べて樹齢が高く、クリマによっては100年を超えるものもあります。自然に収量は抑制され、収量増が見込まれる年には摘房によってひと株あたりの房の数を6〜7に調整しています。完熟の状態で収穫されたブドウは選果台の上で厳しく選り分けられ、除梗はヴィンテージにより50〜100%行います。
醸造は14度で10日間の低温マセレーション後、自然発酵が始まり、醸しは優しくルモンタージュを主としピジャージュの頻度は少なめです。樽熟成はヴィンテージにより12〜14ヶ月と比較的短く、トロンセ、またはベルトランジュのオークからなり焼き加減はミディアムです。新樽率は村名で20%、1級、特級で30%。
90年代のペロ・ミノのワインは現在よりも濃厚かつ樽香も強いものでしたが、ルモンタージュ主体のやさしい抽出や新樽率の低下と熟成期間の短縮によって、よりナチュラルなスタイルへと進化しました。
また、ニュイ・サン・ジョルジュ1級ラ・リシュモーヌとシャンボール・ミュジニー1級ラ・コンブ・ドルヴォーの2つのアペラシオンには通常のキュヴェのほか、それぞれ1902年植樹と樹齢70年以上のブドウのみを用いた「キュヴェ・ウルトラ」があります。