ラ・マージャ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2014
樹齢:40年
醸造:ステンレスタンクと木製の開放発酵層で発酵。マセレーションは25日間。フレンチオークの500Lのトノー(新樽1/3)で36ヶ月間熟成。ボトリング後も6ヶ月間熟成。
力強さと骨格が、素晴らしいエレガンスとの調和を見せています。
テイスティング・コメント
オレンジがかったガーネット。香りはマラスキーノチェリーやラズベリー、プラムなど甘さのある果実香に、ラベンダーやしおれたバラ、タバコ、芳しいオークのノートが混ざり合う。クローブやナツメグ、ペッパーなどのスパイス香、さらに熟成による腐葉土やなめし革、紅茶のニュアンスが続き、香りの幅・奥行が広がる。口に含むとスムーズでビロードのようになめらか。力強い粘性・アルコール分を感じつつも幾分軽やかで、フェミニンな個性をもち、華やかな含み香と交わる繊細なスパイスと、柔らかで包み込むようなタンニンが存在する。味わいは寛大で、美しいミネラルが織りなすフィネスに富む。酸とのバランスがよく余韻は長く優雅。すぐ飲むのであれば早めの抜栓か、デカンタージュを。難しいヴィンテージにあってラ・マージャは成功作と言える。ゆっくりと時間をかけてお楽しみを。旨い!合わせるお料理は、牛肉のグリエ、牛レバーのソテー、仔羊や鴨肉のロースト、ミートローフ、ハンバーグ、トマトソースベースのお料理など。
2019月11試飲
ラ・マージャ
シュヴァルツ家がモンタルチーノの地にやってきたのは、今から40年前のことです。今では200を越えるワイナリーがありますが、まだ15件ほどしかなかった時代からモンタルチーノに根をはった、古参のワイナリーといえます。
ラ・マージャ(Magiaのひとつめのaにアクセントがあります)という名前の語源はトスカーナの言葉でMagione(フランス語でいうところのMaisonメゾン)で、ワイナリーの建物がもともと旅人や巡礼者たちの休憩場所として使われていたことに由来します。実際に、ワイナリーがある丘のすぐ麓にサン・タンティモ修道院を臨めるのですが、その光景はまさに神秘的で、このエリアの神聖さを感じるかたもいらっしゃることでしょう。
2011年、ワイナリーは父のハラルドから息子のファビアンに受け継がれます。ファビアンは、イタリアで最も評価の高いアディジェのサン・ミケーレ農業研究所に何度も足を運び、優れた指導者たちのもと、多くのことを吸収してきました。そのトレーニングによってファビアンは栽培、醸造はもちろん、販売やマーケティングにおよぶまで幅広くワイナリーの舵を取っています。ブドウだけではなく人脈も育て上げられ、教授陣や卒業生たちとの情報交換は、素晴らしい経験をもたらしてくれています。
畑・栽培 ~40年続く畑は、彼らの誇りと喜び~
モンタルチーノのような高貴で豊かなテロワールは、大きな情熱とリスペクトをもって管理され受け継がれていく必要があります。土壌は主に小石ですが、そこに十分な石灰と粘土が加わります。その石灰と粘土が土壌の中で水分を蓄え、乾燥している時期にもブドウ樹を水分のストレスから守ってくれます。広がる1枚の畑の面積は15ha、栽培されているのはサンジョヴェーゼ・グロッソだけです。谷を見下ろし、標高は400~450m、南東向きという最上の斜面の向きを誇ります。
有機認証を取得していますが、それはワイナリー設立以来、40年間積み重ねてきた経験の当然の結果と言えるでしょう。これまで常にテロワールに忠実に仕えてきたこの大地の記憶は、生み出される卓越したワインたちに明確にあらわれていて、ほかでは表現できない個性が備わっています。
セラー
ラ・マージャの歴史あるセラーは1979年につくられたものですが、1980年代終わりごろにはすでに持続可能なエネルギー環境がそなわっていました。太陽エネルギーを用いた温水器にはじまり、2008年からはソーラーパネルを用いることで、電力的にも自給自足でまかなうことができるようになりました。こういった先進技術を取り入れる一方で、自然のプロセスである醸造に関しては介入をできる限り少なくしています。こうすることで、非常に高い品質で、かつ唯一の個性を持ったワインが生まれていきます。