ラ・マージャ トスカーナ・ロッソ イル・ヴィスポ 2018
樹齢: 10~16 年
醸造: 低温浸漬を行い、26℃を超えないように温度管理を行いながらステンレスタンクで発酵、熟成。
ラ・マージャのラインナップに最後に加わった、サンジョヴェーゼ・グロッソ100%のワイン。軽やかで生き生きとして、どんなシチュエーションでも楽しめる、魅力が伝わりやすい1本です。ボトルの中身は若々しくポジティヴなものですが、エチケットのデザインはバンクシーの作品に着想を得たものです。
テイスティング・コメント
輝きのある濃いめのルビーレッド。若々しく魅力的な果実香が印象的で、赤スグリやチェリー、ストロベリーなどフレッシュな赤系果実を想わせる。そしてポプリやペッパー、鉱物的なミネラルのヒント。口に含むとスムーズで、生き生きとした果実味が満ち溢れ、ピュア。キメ細かなタンニンと交わる程よい酸味に、質感はなめらかで、全体のバランスがとれている。飲み心地の良いチャーミングなスタイルで、フルーティーさとアフターにかけてのほろ苦さが絶妙のハーモニー。気軽に、料理との相性が抜群に良い(ミディアム~フルボディ)。合わせるお料理は、肉料理、ソーセージ類、トマトソースベースの料理、パスタやピッツァ、ブルスケッタなど。
2019月11試飲
ラ・マージャ
シュヴァルツ家がモンタルチーノの地にやってきたのは、今から40年前のことです。今では200を越えるワイナリーがありますが、まだ15件ほどしかなかった時代からモンタルチーノに根をはった、古参のワイナリーといえます。
ラ・マージャ(Magiaのひとつめのaにアクセントがあります)という名前の語源はトスカーナの言葉でMagione(フランス語でいうところのMaisonメゾン)で、ワイナリーの建物がもともと旅人や巡礼者たちの休憩場所として使われていたことに由来します。実際に、ワイナリーがある丘のすぐ麓にサン・タンティモ修道院を臨めるのですが、その光景はまさに神秘的で、このエリアの神聖さを感じるかたもいらっしゃることでしょう。
2011年、ワイナリーは父のハラルドから息子のファビアンに受け継がれます。ファビアンは、イタリアで最も評価の高いアディジェのサン・ミケーレ農業研究所に何度も足を運び、優れた指導者たちのもと、多くのことを吸収してきました。そのトレーニングによってファビアンは栽培、醸造はもちろん、販売やマーケティングにおよぶまで幅広くワイナリーの舵を取っています。ブドウだけではなく人脈も育て上げられ、教授陣や卒業生たちとの情報交換は、素晴らしい経験をもたらしてくれています。
畑・栽培 ~40年続く畑は、彼らの誇りと喜び~
モンタルチーノのような高貴で豊かなテロワールは、大きな情熱とリスペクトをもって管理され受け継がれていく必要があります。土壌は主に小石ですが、そこに十分な石灰と粘土が加わります。その石灰と粘土が土壌の中で水分を蓄え、乾燥している時期にもブドウ樹を水分のストレスから守ってくれます。広がる1枚の畑の面積は15ha、栽培されているのはサンジョヴェーゼ・グロッソだけです。谷を見下ろし、標高は400~450m、南東向きという最上の斜面の向きを誇ります。
有機認証を取得していますが、それはワイナリー設立以来、40年間積み重ねてきた経験の当然の結果と言えるでしょう。これまで常にテロワールに忠実に仕えてきたこの大地の記憶は、生み出される卓越したワインたちに明確にあらわれていて、ほかでは表現できない個性が備わっています。
セラー
ラ・マージャの歴史あるセラーは1979年につくられたものですが、1980年代終わりごろにはすでに持続可能なエネルギー環境がそなわっていました。太陽エネルギーを用いた温水器にはじまり、2008年からはソーラーパネルを用いることで、電力的にも自給自足でまかなうことができるようになりました。こういった先進技術を取り入れる一方で、自然のプロセスである醸造に関しては介入をできる限り少なくしています。こうすることで、非常に高い品質で、かつ唯一の個性を持ったワインが生まれていきます。