テッレ・デル・バローロ ランゲ・ロッソ 2017
日本市場のために特別に瓶詰めした“限定キュヴェ”
醸造家、ダニエーレ・ポンツォからのメッセージ
「2019年2月の日本への訪問は私にとって大変素晴らしいものであり、今回の訪日を通して、日本のお客様の嗜好を、私なりに理解することができました。そして、イタリアに戻り、日本の皆様に喜んでいただける新たなワインを造りたいと思い、試行錯誤を重ね、出来上がったのがこのワインです。ピノ・ネーロ主体で、果実の熟した味わいと複雑さを感じていただけるように造りました。」
収穫は100%手摘みで行い、葡萄は除梗、破砕します。アルコール発酵はステンレスタンクで28度から30度に温度コントロールしながら行います。発酵期間は6日から8日間。その間、アロマ、タンニン、豊かな色合いを引き出すためデレスタージュ(液体を別のタンクに移し、またもとに戻す)を行います。マロラクティック発酵が終わった後、ステンレスタンクでしばらく熟成させます。小さな赤いベリーやチェリーに加え、甘いスパイスが香る複雑なアロマがあります。味わいにも豊かな果実味と甘いスパイスのニュアンスが感じられ、長くしなやかな余韻があります。
テイスティング・コメント
濃いめのルビーレッド。香りはラズベリーやダークチェリー、牡丹など凝縮感漂うアロマで、シナモンやナツメグなどのスパイスのヒント。さらにアールグレイやなめし革の香りなど複雑なニュアンスをもつ。口に含むと瑞々しくなめらか。豊かな果実味が伸びやかに広がりジューシーさとスパイシーさが絶妙のハモーニー。瞬時に甘みと辛みを捉える親しみやすい味わいで、しっかりとした構造をもつ。タンニンが綺麗に溶け込んでおり酸とのバランスが良い。質感は円やかで、飲み心地が良い。合わせるお料理は、鶏レバー料理、茸料理、茸とベーコンのバター炒め、牛のたたきなど。
2019年11月試飲
テッレ・デル・バローロ
1958年にこの地域の40の生産者によって設立された組合で、現在は約400のメンバーを擁しています。オーナーは、マッテオ・ボスコ氏。バローロとその周辺に710haの畑を持ち、ドルチェット、バルベーラ、ネッビオーロ、バローロなどを生産しています。二人のアグロノミスト(農学者)が、畑での作業から収穫時期まで細かく指導しています。
エノロゴを中心とした素晴らしいチームにより品質向上
エノロゴは若手のダニエーレ・ポンツォ(‘77年生)氏。ダニエーレはアルバの醸造学校を出た後、ジュゼッペ・カヴィオラやガヤで経験を積み、2003年にテッレ・デル・バローロに移り、2007年からメインのエノロゴとして働いています。「品質を向上させるために様々な試みをし、またモダンな要素を否定する訳ではないが、出来上がったものをみると守り守っていることが分かってもらえると思う。」と語ります。
ダニエーレは、同じワインを異なる樽に入れ、違いをチェックする樽の研究室を持っています。樽熟成は、初めに試飲して樽を決め、1年後に試して次にどの樽を使うかを決めるという過程を経て、その後ブレンドしタンクで保存します。「樽の使い分けは画家が色を選ぶようにいろいろ変えるので説明は難しい。」 他には、冷却装置付きタンクや、ミクロ・ブラージュ、窒素充填出来る瓶詰めラインなどもあります。大きな組織のメリットは、良い畑、良いワインだけを選んで瓶詰め出来ることで、毎年買った葡萄の30%前後をバルクで売っています。
優良生産者として掲載
バートン・アンダーソンの「ポケットブック・イタリア・ワイン」にバローロ、バルベーラ・ダルバ、ネッビーロ・ダルバ、ドルチェト・ダルバ等の優良生産者として掲載されています。また、上位クラスの畑名付きのワインは、ガンベロ・ロッソ「ヴィニ・ディタリア」で1~2グラスを付けて、高く評価されています。