シャトー・ラ・カルドンヌ 2009
醗酵:ステンレスタンク、その後マロラクティック醗酵
熟成:フレンチオーク樽にて12カ月(225L、新樽比率50%)、その後ステンレスタンクで18カ月間落ち着かせた後ボトリング、地下セラーにて出荷まで熟成。
平均樹齢30年以上のメルロー種を主体につくられたクリュ・ブルジョワ・クラス。
テイスティング・コメント
艶のある濃いガーネット。香りはブルーベリーやプラムなどの果実香に、ミントハーブ、ブラックペッパー、スパイシーなオークのヒント。杉、タバコの葉、やさしいバニラのニュアンスがあり上品な香りの中に複雑さが感じられる。さらに茸、皮革などの熟成香も現れる。アタックはソフトでなめらか。10年の熟成を経てまろやかな風味だが、2009年ヴィンテージらしい完熟感とパワフルさは健在で、味わいに深みが感じられる。全体に丸みを帯びており熟れたタンニンとのバランスが良い。構造があってしっかりとした骨格とエレガントさを兼ね備え、余韻は未だフレッシュさを保ち続けている。合わせるお料理は、牛フィレ肉のポワレ、牛や鴨肉のロースト、厚切りのロースカツ、ビーフシチュー、鶏肉のトマト煮、生ハム、スモークチーズなど。
2019年12月試飲
レ・ドメーヌ・セー・ジェー・エール
ドメーヌCGR社はLA CARDONNE(カルドンヌ)、GRIVIERE(グリヴィエール)、RAMAFORT(ラマフォール)の三つのシャトーを所有しており、その社名はその三つのシャトーの頭文字から来ています。
シャトー・グリヴィエール、シャトー・ラ・カルドンヌは、サン・テステフから北に5km程の、メドック地区の一番高い丘陵地にあります。ジロンド河に沿った緩やかな斜面にある畑では17世紀の始め頃からワイン造りを行っています。グリヴィエールのシャトー自体は存在せず、ワイン造りはシャトー・ラ・カルドンヌで行われています。
シャトー・ラ・カルドンヌについて
20世紀に入ってからは、ロートシルト家の所有となり、長年に亘りシャトー復興のために数々の努力が行われました。1970年代初頭にはブドウ畑の改良が完了し、1990年よりドメーヌCGR社が新しくシャトーのオーナーとなり、更なるブドウ栽培の工夫、ワイン造りへの最先端技術導入に取り組んできました。1993年には広大な地下セラーも完成しました。その為、ドメーヌCGR社では、飲み頃になるまで、シャトーのセラーにて熟成してくれるのが大きな強みです。何と10年分に相当する300万本ものワインを保管が可能なため、リーズナブルに飲み頃のヴィンテージを提供してくれる生産者です。
ラフィットの醸造家から女性醸造家に
ドメーヌCGR社がオーナーになった当初は、シャトー・ラフィット・ロートシルトの醸造責任者、エリック・ファーブル氏がコンサルタントを行っていました。その後、ラフィットを引退し、改めて、醸造長に就任しました。そして、2000年には、シャトー・ランシュ・バージュ、レ・ゾルム・ド・ペズで醸造長を務めていた、マガリ・ギュイヨン女史が醸造長となりました。2005年には、彼女の造り始めた2001年が、ル・ポワン誌にて高く評価されました。彼女が表紙を飾り、彼女の業績が認められたのです。
サステーナブル農法
ドメーヌCGR社では、2006年より、“サステーナブル農法”を取り入れています。畑の自然環境の保全とワインにテロワールの表現を実現しています。今日の畑の状態に非常に自信を持っており、自然に育てることにより、樹にもウドンコ病といった病に対する抵抗力が高まります。ワインにもパワーが高まり、表現豊かになります。そして、味わいはより、フルーティーに、フレッシュに。