ドメーヌ・コワイヨ ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2017
醗酵:ステンレス・タンク
熟成:ステンレス・タンク 8ヶ月
テイスティング・コメント
鮮やかなルビーレッド。野性味のあるラズベリーやチェリー、ラベンダー、スミレのアロマが魅力的で、爽やかなハーブの香りやヨード、金属的なミネラルのニュアンスがアクセント。口に含むとしなやかでジューシー。凝縮感のある力強い果実味が口中に染み渡り背景にはミネラル感、そこにたっぷりとした旨みが感じられる。若々しくピュアで、抜栓して間もないうちは少し引き締まった感があるが、ゆっくりと時間をかけて楽しむといよいよ本領が発揮する。フルーティーかつスパイシーで、次第に果肉感が増していく。暖かみがあり何より味わい深さがある。(すぐ飲むのであれば早めの抜栓がおすすめ。)合わせるお料理は、鴨肉のコンフィ、鶏肉や仔羊のロースト、軽くスパイスを効かせた肉料理、野菜・ソーセージのポトフ、ボロネーゼのラザニア、パスタ、焼き鳥など。
2020年2月試飲
ドメーヌ・コワイヨ
「俺は完熟ブドウしか使わないぜ!」
クリストフ氏は「良いブドウが出来てはじめて良いワインが出来る、逆に良いブドウが出来なかったらその時点でスタートラインが下がってしまう。」と考えています。「完熟したブドウしか使わない」という信念の下、ブドウが完熟する為の努力やリスクを惜しみません。畑やパーセルごとに異なる完熟のタイミングを見極める為、ブドウの樹一本一本、さらにはブドウの一房一房の成熟の状態を把握できるほど注意深く観察しています。そんなこだわりようから周囲からは完全主義者と言われています。リスクを恐れずどんなに悪い年でも完熟を待っての収穫は、周りの生産者より数週間遅いことも珍しくありません。こだわりの完熟ブドウから生み出されるワインは、彼のコンセプト通り、果実味たっぷりで、力強く凝縮感がありながらも早くから飲める柔らかさを持った素晴らしいものです。
「1級でも特級でもない畑から、それらに負けないような凄いワインを造りたい」と語るクリストフ氏。
彼の本拠地マルサネの魅力とは。
ブルゴーニュはボルドーと並ぶフランスの銘醸地。特にその中でもコート・ド・ニュイ地区は、ジュヴレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネといった有名な村名AOCや1級、特級畑が数多くあります。その中でマルサネは有名な村ではありません。有名な村の名前や格付けをウリにすることが出来ない分、品質と価格のバランスで勝負することが命題となります。また、「マルサネ」をワイン名として名乗れるようになったのが、1978年からとまだ歴史の浅いAOCで、まだまだ発展途上で、品質向上も目覚しく、ニュイ地区の村名AOCで一番のコストパフォーマンスとの呼び声も高いのがマルサネです。ブラインド・ティスティングではジュヴレ・ シャンベルタン、モレ・サン・ドニ、シャンボールに負けないくらいの味わいをもつワインもあるほどです。
「力強く、凝縮感がありながらも、早くから飲めるワインを造りたい」
軽いワインより力強いワインが好きだと語るクリストフ氏が造るワインは、凝縮感のあるタイプ。彼は、「凝縮と抽出は違う」と語り、十分な収量を得た上で、過度の抽出により濃いワインを造るのではなく、あくまでもブドウ本来の凝縮感が大切だと言い、「完熟ブドウ」に強いこだわりをもっています。