ドメーヌ・アルヌー・ラショー ブルゴーニュ ピノ・ファン 2015
ミルランダージュになりやすい、古いクローンからつくられています。アルヌー・ラショーのブルゴーニュ・ルージュに使われるピノ・ノワールは、大部分、このクローンの植えられた区画から造られます。シャンボールの繊細さ、ヴォーヌ・ロマネの気品、ニュイの力強さが三位一体となったスタイルです。
テイスティング・コメント
艶のある柔らかなルビーレッド。アロマは非常にフローラルで、新鮮なストロベリーやチェリーが溢れ、次第に柑橘類の皮やスミレ、花の蜜が現れる。そして金属的なミネラルのニュアンスと仄かな土のヒント。口に含むとスムーズでピュア。美しい丸みを帯びておりシルクのようになめらかな質感。広域でつくられるACブルながら、図らずも気品があり官能的な一面を合わせ持つ。ミネラル感と締りの良い上品な酸味が果実味を支えジューシーな風味にもクールで、エレガントに仕上がっている。細部には心地よいタンニンが存在し程よいグリップ。深み・複雑さを感じさせ長い余韻がある。合わせるお料理は、鶏肉や豚肉のグリル、白身肉のホワイトソース煮、トマトベースの魚介類や鶏肉料理、シャルキュトリーなど。
2020年3月試飲
ドメーヌ・アルヌー・ラショー
ヴォーヌ・ロマネの名門ロベール・アルヌーが2008年に改称
アルヌー・ラショーは、ヴォーヌ・ロマネの名門ドメーヌとして名高いロベール・アルヌーが2008年から改称したものです。先代のロベール・アルヌーは父の死に伴い、26歳の若さでドメーヌを継承。もともとロベールの両親はともにヴォーヌ・ロマネの出身でいくらかの畑を所有していましたが、それを大きく広げたのはロベールでした。その後、3人の娘に恵まれましたが、跡取りとなる男子がいなかったので、末娘のフローランスが婿をとりドメーヌを継ぎます。その婿こそ、前当主のパスカル・ラショーです。
パスカルは87年にフローランスと結婚。もとはボーヌの薬剤師でワイン造りとは無縁の家系でしたが、結婚後、ブドウ栽培とワイン造りを学びドメーヌで働くようになります。95年にロベールが他界して以降はパスカルとフローランスのふたりでドメーヌを切り盛り。カーヴの拡張、醸造施設の改装、そして畑もさらに増やし、2008年にはラトリシエール・シャンベルタンをラインナップに加えました。
ヴォーヌ・ロマネがお膝元だけに、この村とニュイ・サン・ジョルジュを中心に数々のクリマを所有します。特級はロマネ・サン・ヴィヴァン、エシェゾー、クロ・ド・ヴージョ、それにラトリシエール・シャンベルタンとじつに豪華。ドメーヌが所有する畑の総面積は13ヘクタールを超えます。
ブドウ栽培はリュット・レゾネ。手摘みでブドウを収穫し、ブドウは破砕せずに低温マセレーションの後、ステンレスタンクで自然発酵。樽熟成期間は平均14ヶ月で、新樽の比率は村名で20〜25%、一級畑で30〜50%。特級は100%新樽ですが、ヴォーヌ・ロマネ1級のオー・レニョとレ・シュショにも100%の新樽を用いています。
こうして造られるアルヌー・ラショーのワインは、なんといってもバランスが良い。果実味が過ぎたり、樽香が強すぎることもなく、しかし、十分な凝縮感を伴っています。
ブルゴーニュ・ルージュはラベルにピノ・ファンとあるとおり、畑の中で選抜した小粒の実のなる優良株を増やしたマサル・セレクションによるものです。ドメーヌのラインナップの中でもひときわお買い得なワインです。また一級のレ・シュショは特級並みのポテンシャルをもつ逸品として知られています。
現在は、2011年からはドメーヌに参画した長男のシャルルが6代目当主として切り盛りしています。