クロ・デュ・ロワ フロンサック 2007
醗酵: ステンレス・タンク
熟成: オーク樽12カ月(仏産、225L、新樽比率25%)
テイスティング・コメント
艶のあるガーネット。香りはカシスやブラックベリー、プラムなどの果実香に、ローストしたコーヒー豆やチョコなど木樽由来の香りがアクセント。そしてクローブ、茸、枯れ葉、腐葉土の香り。リコリスや甘さを抑えたチェリージャムのニュアンスがありその複雑さが増していく。口に含むとスムーズでなめらか。濃縮感があり豊かで、溶け込んだタンニンと穏やかな酸とのバランス。力強い果実味と程よいオイリーさがあり丸く肉付きが良い。親しみやすい果実の風味に、チョコやコーヒーを想わせる樽感がマッチする。飲みやすく味わい深きボルドー。質感のあるボディが楽しめ長く続く余韻をもつ。合わせるお料理は、赤身肉料理、ラム肉のロースト、ビーフシチュー、すき焼き、肉じゃが、茸料理など。
2020年3月試飲
クロ・デュ・ロワ
クロ・デュ・ロワは、ドルドーニュ河とイール川の合流点に位置するアペラシオン、フロンサックにあります。18世紀から続く家族経営のシャトーで、1970年にルイ・ロワ氏が自社瓶詰めを開始し誕生したブランドです。果実味と力強さを活かすためにモダンな醸造設備を使用し、出来たワインは18世紀から続く石を積み上げて建てたセラーにてゆっくりと熟成させます。
フランスAOCワイン事典(発行者 株式会社 三省堂)より抜粋
フロンサック Fronsac
フロンサック ~テロワール~
穏やかな海洋性気候の恩恵を受け、冬暖かく、雨も平均して降る(年間731mm)。ドルドーニュ河とイール川のおかげで、春の夜の霜のリスクが減り、夏の暑さが和らげられる。恵まれた地中海性気候である。ブドウ畑は、日当たりのよい丘陵の斜面に広がる。土壌は多様で、丘の麓は泥土と、粘土や砂の土質であり、丘を登ると粘土石灰質である。小丘や台地部分はヒトデ石灰岩が主流で、露出しているところもある。斜面や丘の上は、石灰分を含む粘土と砂岩が混ざり合った「フロンサックの軟質砂岩 Molasse du Fronsadais」とも呼ばれる土壌が基層で、水はけがよく、メルロ種とカベルネ・フラン種が充分に成熟することができる。
フロンサック ~ワインの特徴~
濃い紫やきれいなルビー色。香りは豊かで、赤い果実や胡椒あるいはスパイスの香りを放ち、樽香がある。味わいにはボディがあり、余韻も長い。しっかりとした骨格のワインで、タンニンは多く存在しているが攻撃的ではなく、熟成に向いている。メルロ種とカベルネ・フラン種のアサンブラージュから生まれる。気品があり、肉づきがしっかりとしていて複雑な個性のあるワイン。土壌によりトリュフ、ジビエ、ミネラルのニュアンスがあり、きめが細かい。豊かで肥えていて力強く濃密。