グラーティ カヴァリエーレ カベルネ ソーヴィニヨン メルロ 2015
ルフィナの名門、グラーティ家が造る、カベルネ ソーヴィニヨンとメルロを使った高品質ワイン。
醗酵: ステンレス タンク/主醗酵後、ステンレス タンクにて、マロラクティック醗酵
熟成: 70%をステンレス タンクで熟成、残り30%をオーク樽熟成 12カ月(30HL、500L、225L、)/瓶熟成 12カ月以上
テイスティング コメント
エッジが赤みがかった濃いガーネット。香りはカシスやプラム、チェリーなどの果実香に、ローストしたオークの香りがアクセント。スモーキーで香ばしい。ブラックペッパーやクローブ、リコリスのニュアンスも感じる。味わいはしなやかで、心地よい酸味とスパイシーさの調和がとれ食欲を刺激する。ワイン単体よりは、料理とともにお楽しみを。タンニンと果実味がよく馴染んでおり赤身肉料理、仔羊の香草焼きなどがおすすめです。また、バルサミックのニュアンスから鶏肉のバルサミコ煮との相性も良さそうです。他にはボロネーゼ、トマトソースベース料理、ピッツァなど。
2020年7月試飲
グラーティ
初代アントニオが1840-1850年頃、ワイナリーを設立。その後、2代目フェデリコ、3代目、グラートと続き、現オーナーであるジャンフランコは4代目。5代目となる息子のグアルベルトもワイナリーを手伝っており、家族経営のキアンティ ルフィナの生産者として最大規模の生産者です。
グラーティは古くから良心的な価格で品質の高いワインを造り続けてきた結果、多くのお客様から支持されてきました。長いワイン造りの歴史の中で、ルフィナ地区に広大なブドウ畑を所有してきたことで、安定して品質の高いワインを造ることが出来ます。ヴィンテージの良し悪しに関わらず、安定した生産量と品質を確保出来ることが彼らの強みです。ワイン造りへの情熱と伝統を脈々と受け継いできました。全て家族で経営している、温かさと愛情に溢れたイタリアの歴史ある古き良き造り手です。
フィレンツェ大学との共同研究を行う、息子グアルベルト
5代目となるグアルベルトは大学と共同で研究を行っています。ルフィナ地区のサンジョヴェーゼは、土壌と微小気候の影響により、トスカーナの他地区に比べてよりタンニンやアントシアニンなどの成分が高いワインが生まれ、やや色調の濃いワインが生まれます。グラーティ家には、古くから植えられていた古木が約60ha程あり、50年以上の古木も存在しています。古いブドウの木には、ここにしか存在しない可能性のある品種、クローンが存在していることが研究の成果でわかってきました。現在はそのブドウを復活させる研究も行っています。
ワインは、家庭の料理と一緒に存在するもの
グラーティが理想とするワインは、ワイン自体が主張するのではなく、家庭の料理と一緒に存在しているもの。
オーナーのジャンフランコは、「キアンティ・ルフィナで5世代に亘りワイン造りを続けたことで、自分達の土地の全てを知り、自分達のテロワール、特性に合わせたブドウ栽培、ワイン造りを行っている。だから伝統を大切にしたスタイルのワイン造りに注力している。果実味を大切に、上品な酸があるもの。熟成も昔ながらの伝統的な大樽で行う。」と語ります。そこには料理と共にあるワイン造りへの歴史と情熱が込められています。
キアンティの中でも昼夜の寒暖差の激しい地区、ルフィナ
フィレンツェの近くにある、キャンティ ルフィナ地区はアペニン山脈から保護された、キアンティ地区の中でも最も標高が高い地区になります。夏場に気温が非常に高くなりブドウの成熟を助けますが、夜には渓谷に北風が吹きリフレッシュしてくれることで寒暖の差がしっかりとあります。このため、ブドウが成熟していく際芳香成分と酸を高く保つことができるのです。
保水性の高い土壌が、長命のワインを生み出す
主に、粘土質とガレストロ。ガレストロとは、キャンティの上質なブドウ畑によく見られる、片岩と砂岩が混ざった砕けやすい、白亜質の土壌です。地面の中に多量の水を保つ、保水性のある土壌です。酸とタンニンが豊かなブドウが生まれるため、非常に長い寿命のワインが出来上がります。
果実味を生かすワイン造り、大樽を使用することに拘る
グラーティでは大樽でのワイン造りに拘りを持っています。トスカーナでは小樽を使用する生産者が多いですが、果実本来の味わいをしっかりと生かし、木樽のニュアンスを最小限に抑えるべく大樽でのワイン造りを行います。大樽の管理は非常に難しく、数年に一度職人が中に入り手入れを行っています。非常に骨の折れる作業ですが伝統を守ることを大切にしています。ワイナリーには50年以上前に作られた大樽も残っています。