ビーニャ・ペレス・クルス シラー・リミテッド・エディション 2013
葡萄は全て手摘みで収穫します。35hl/haという驚くほど収穫を低く抑えています。中二階の選果テーブルで選別し、破砕して4日間10度の低温で醸しをします。柔らかなタンニンを抽出するため、発酵と30日の醸しの間、手でポンピングオーバーします。マロラクティック発酵はフレンチオークの新樽で行います。樽熟成期間は16ヶ月です。
【テイスティング・コメント】
ラム肉のステーキによく合います。オーストラリアのシラーと比較すると、どちらも温暖ですが、アンデスの涼風のおかげで、繊細、ブラックペッパー、ブラックベリー、スモーキーなタッチがあります。
■ビーニャ・ペレス・クルス
1963年に初めて農地を購入。90年代に、葡萄を植えることを計画し、‘94年に初めて植樹しました。当初は他のワイナリーへ葡萄を販売していましたが、その頃からペレス・クルスの葡萄の評判は良かったので、自分たちで瓶詰めしようと決意し、6年に渡ってワイナリーの運営について学びました。
最初に葡萄を植える時は、60ヶ所に穴を掘って断面を見ながら、どの葡萄が適しているのか調査し、この土地で古くから葡萄作りをしていた人々の経験談からも学びとりました。現在は、地面にセンサーを差し込んで調査しています。既に葡萄を植えた160haを、このセンサーで見直しましたが、6haだけメルロをカルメネールに変更した以外はぴったりだったそうです。
かつて3,200本/haだった植密度は、現在は6,000本/haとなっています。葡萄の栽培には、土壌の調査は専門の業者に依頼し、その結果を参考にしながら、収穫時期の計画を立てています。収穫は早朝に全て手摘みで行います。一番葡萄の温度が下がるのが夜ではなく日の出の時だからです。酵母は全て人工酵母を使用。偶発酵母はリスクが高く、発酵が不完全なこともあり、品質を重視すると人工酵母の方が優れていると考えているからです。農薬は不使用です。硫黄を予防に使うことはありますが、他は何も必要としません。
造るのは赤ワインだけ
赤ワインだけ造るのは、アルト・マイポの気候、土壌が、黒葡萄の栽培に最も適しているからです。また、共通してローストしたハーブ、ローズマリー、ミントなどの香りがあるのは、アルト・マイポの特徴です。アンデス山脈から冷たい風が吹き降ろし、畑を冷やしてくれ、葡萄の熟成はゆっくりと進み、素晴らしいアロマが保たれるのです。