マルク デシャン プイィ フュメ トラディシオン デ ロジュ 2021
畑は、レ ロジュ村の「レ ムーラン ナ ヴァン」と呼ばれる地域にあります。土壌は粘土と砂で、下層土は石灰です。標高240mの南東向きの斜面にあります。機械で収穫し、収量は64hL/ha。収穫した葡萄はニューマティックプレスで柔らかく圧搾します。発酵前のスキンコンタクトはしません。48時間、果汁を落ち着かせます。発酵、熟成ともにステンレスタンクで行います。発酵は15度に温度コントロールしたタンクで行い、マロラクティック発酵は行いません。タンクできれいな澱とともに8ヶ月熟成し、バトナージュは行いません。11月と翌年の2月の2回、ラッキングを行います。清澄し、軽くフィルターをかけてボトリングします。生産量3,500本。レ ロジュの典型的な味わいで、洋ナシやアプリコットの香りと豊富なミネラルがあります。
評価
2018VT ル ギド アシェット デ ヴァン2020: 2星獲得
テイスティング コメント
輝きのあるレモンイエローに、僅かにグリーンのトーン。香りはオレンジやグレープフルーツなどの柑橘類に洋梨、桃、白い花を想わせるフローラルなアロマ。そしてハーブ、ホワイトペッパー、スモーク、石灰質のミネラルのヒント。味わいはフレッシュでジューシー。緻密で、十分なミネラルが感じられ、真っすぐな酸が全体をきれいにまとめ上げる。広がりのよい果実味、鮮やかで心地よい緊張感を保ちながら余韻は長くエレガントなスタイル。清々しさと親しみやすさ、バランスのよい仕上がり。合わせるお料理は、シーフード、サーモンのマリネ、天ぷら、鴨胸肉のローストなど。
2021年3月試飲(2018年ヴィンテージ)
マルク デシャン
マルク デシャンは1978年、彼が19歳の時に当時このドメーヌのオーナーであったポールフィジェの元で働き始め、その後13年にわたり、葡萄栽培やワイン造りの知識を身につけてきました。1991年にポール フィジェが不幸にも交通事故で亡くなり、マルク デシャンがフィジェ家から畑を借りる形でドメーヌの運営を受け継ぎました。引き継いだ時は7 haでしたが、現在は少し面積を増やし、10haの畑を所有しています。畑のほとんどはプイイ フュメにあります。
『ワイン アドヴォケイト』のプイイ フュメの評価において、歴代最高得点を獲得!
知られざるプイイ フュメの名手
マルクは、葡萄が最も重要だと考えており、葡萄栽培から醸造まで全てを自らの手で管理しています。このため、畑の面積は自分の目が届く範囲に抑えています。多くの生産者が名を連ねるこのエリアで、葡萄と向き合い、複雑な土壌を熟知することでドメーヌの個性を引き出しています。2014年の『ワイン アドヴォケイト #215』では、ディディエ ダグノー等の著名な生産者を抑え、プイイ フュメの歴代最高得点である95点を獲得しています。
畑・土壌・収穫
6月、7月にかけてグリーンハーベストを行います。収穫(9月下旬)は機械で行いますが、醸造の際に大きな澱が出るのを防ぐため、葡萄以外の余計なものを収穫しないように注意します。収穫前に区画ごとで葡萄の状態を2回分析にかけ、自分でも葡萄を食べて状態を確認します。プイイ フュメは多様な土壌で様々な石灰石が点在しており、石灰質土壌といってもひとくくりにはできない土壌です。石灰石も時代によって含まれる成分がそれぞれ異なるため、それによってワインの味わいも違いが生まれます。
ワイン醸造について
収穫した葡萄はニューマティックプレスを使用します。プレス機の内部の風船が膨らみ葡萄をプレスします。24~36時間澱下げした後、ポンプでプレス機からタンクに移します。タンクに入れるのは上部のクリアな果汁、そしてアルコール発酵を行います。タンクは温度コントロールされており、13~15度で澱と共に寝かせます。2~3週間のうちに20度まで上昇させます。アルコール発酵後6~8ヶ月熟成させ、ボトリング前にフィルターとファインニングを1回行います。