シャトー グラン ペイルー 2010
発酵: ステンレスタンク
熟成: ステンレスタンク
2010VT リアル ワイン ガイド No.72: 旨安賞受賞
今飲んで88 ポテンシャル88 飲み頃予想 今~2030
それなりに熟成したボルドーがこの値段で楽しめる。もちろんグラン・ヴァンじゃないからメチャクチャ美味しいわけじゃないが、プチ・シャトーだからこそ僅か10年でいいカンジの熟成風味が出ている。タンニンはまだ残るが気になるレベルではないし、黒果実のちょっとした枯れた感と仁丹みたいなハーブの風味で美味しく飲めるのだ。〈20年10月試飲〉(リアルワインガイド VOL.72 P.20抜粋)
テイスティング コメント
艶のあるガーネット。香りはカシスやプラムなど果実のアロマを基調に、仄かなスパイスや熟成を感じさせるタバコ葉、キノコ、腐葉土のニュアンスが混ざり合う。口当たりは丸くしなやか。10年以上の熟成を経て、タンニンと酸味が溶け込んでおり非常にバランスのよい仕上がり。その中にぶれない芯の強さが感じられ、若いうちはパワフルであろうしっかりとした構造がうかがえる。まとまりのよいアフター、しっとり感が心地よくまろやかな余韻が楽しめる。合わせるお料理は、ビーフシチュー、赤肉・ジビエ・鶏など肉料理全般、熟成チーズなど。
2021年4月試飲
シャトー グラン ペイルー
シャトー グラン ペイルーはカスティヨンの中でもサン テミリオンに近いシャトーで、サン テミリオンの中心地から東に約3kmの場所、サン テティエンヌ ド リスに位置しています。1997年に創業の比較的新しい生産者です。家族経営のシャトーで約20haの畑を所有しています。
ボルドーで最も刺激的なワイン産地「コート・ド・カスティヨン」
コート・ド・カスティヨンはいまやボルドー衛星地区で最も流行の区域であり、やり手の生産者がその腕をふるい、また畑を貪欲に求めてやってくる場所となった。ピュイスガン=サン=テミリオンの東に位置し、ボルドー市からは約40km離れている。このアペラシオンはカスティヨン=ラ=バタイユというカスティヨンの戦いを記念したコミューン名から名づけられた。1453年、イギリスの将軍タルボットが自軍の敗走中に戦死を遂げ、百年戦争終結の契機となったものである。(中略)
ボルドーでも最先端のワインのつくり手たちは、コート・ド・カスティヨンのシャトーを買収したが、その驚くべき成果は1990年代から顕著になり始め、特に2000年はすばらしい。ボルドーを動かし、揺さぶるこれらの人たち、特にユベール・ド・ブーアール、ジェラール・ペルス、アラン・レイノー、ジャン・ミシェル・フェルナンデス、ステファヌ・ドルノンクール、コリンヌ・ギゼ、ステファン・フォン・ネッペールは、みな(主にサン=テミリオンで)確立した評判を得ている輝かしいつくり手であり、彼らがコート・ド・カスティヨン全体の品質を押し上げている。そのために、このアペラシオンは現在ボルドーで最も刺激的なワイン産地となっている。ここで生産される華やかな、凝縮感のある、興味深いワインに価格が追いついてしまうのも、時間の問題だろう。
『BORDEAUX ボルドー 第4版』 ロバート・パーカーJr.著より