ボデガス・アントニオ・アラエス マラ・ヴィーダ 2014
カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーの葡萄は樹齢15~30年のブドウ園からのもので、テンプラニーリョとモナストレルは樹齢30年以上の葡萄を使用。土壌は石灰質で、有機物に乏しいため、ワインはより複雑かつ濃縮されたものになります。発酵とマセレーション作業は28度に保たれたステンレスタンクで25~30日間行われます。これにより各品種が持つ感覚器を刺激する特性がより顕著なものになります。ワインにより複雑な味わいをもたらすために、様々な樽材チップと焙煎度合いのフランス産オーク樽やアメリカ産オーク樽に仕込んで8ヵ月間寝かせます。
【テイスティング・コメント】
濃いルビー。粘性は中程度より高め。香りには新鮮なブルーベリーやカシス、牡丹、桜、ブラックペッパー、ミネラルが混じり合い、樽からくるバニラやローストしたオークの香りがアクセント。次第にチョコやカラメルのニュアンスが現れ仄かな甘さが感じられる。アタックはソフトでなめらか。果実味はとてもジューシーで、まろやかなタンニン、穏やかな酸味がバランスよく溶け込んでいる。艶のあるシルキーな舌触りで中庸のボディ感、全体に柔らかく口当たりが良い。軽すぎず重すぎないミディアムからフルボディタイプ。「渋いのは苦手だが多少のコクは欲しい」そんな方におすすめの1本。合わせるお料理はパエリアやラザニア、トマトソースベースのパスタやピッツァ、焼き肉、ローストしたラム肉など。
※2016年12月試飲
■ボデガス・アントニオ・アラエス
スペイン南東部DOバレンシアの中でも最南端に位置する、ラ・フォント・デ・フィグエラ。ボデガス・アントニオ・アラーエスはブドウ畑やオレンジ畑そして緑豊かな山が見渡せる場所に位置しています。彼らのワイン造りの始まりは1916年、周囲のいくつかの農家が自分たちの育てたブドウを使ったワインを造り出すためにワイナリーを共同で設立しました。その後、1950年に現オーナーの祖父であるドン・アントニオがそのワイナリーを引き継ぎました。現在は3代目のオーナーであるトニ・アントニオの下、家族経営によってワイン造りが行われています。
「ワイン職人はそのワインがもつ特性を丸ごと引き出せるだけの力量を備えていなければなりませんが、同時にワインの世界に足を踏み入れた消費者の方々にその技を理解していただき、楽しんでいただけるものでなければならないのです。」と彼は語ります。トニは市場のニーズを読み取り「複雑さを備えつつ、凝縮されたワインを造り出す。」この目標を胸に挑戦し続けています。またワイン文化の発展にも尽力し、若い世代へのアピールとなる低価格で高品質なワイン「マラ・ヴィダ」などを確固たる価格ポリシーを持って造り出しています。