ドメーヌ アントナン ギヨン ブルゴーニュ ピノ ノワール 2019
テイスティング コメント
紫がかったルビーレッド。ラズベリーやブルーベリーなどの仄かに甘さのある香りにバラ、クローブ、シナモン、ハーブのニュアンスが折り重なる。味わいはふくよか。ジューシーな果実味が溢れアルコール分が充実。やや強めのアタックながらバランスがとれておりタンニンはキメ細やか、心地よい酸を感じる。まろやかなフルボディ。温かみのあるたっぷりとした果実感が印象的。初日よりは二日目と、より柔らかくなりポテンシャルの高さが窺える。すぐ飲むのであれば早めの抜栓がおすすめ。合わせるお料理は、鶏・豚肉のソテー、牛のたたき、ジビエ、しゃぶしゃぶなど。
2022年6月試飲
ドメーヌ アントナン ギヨン / ドミニク ギヨン
サヴィニー レ ボーヌに本拠を置くアントナン ギヨンは、48ヘクタールのブドウ畑を耕作する大ドメーヌです。1960年代に先代のアントナン ギヨンがジュヴレ シャンベルタンからムルソーにかけて秀逸なクリマを手に入れ、70年代になると、その息子で現当主のドミニクが、オート コート ド ニュイに点在する350もの区画を80軒の農家から買い集めました。ブルゴーニュACとオート コート ド ニュイのワインはドメーヌ ドミニク ギヨン、それ以外のアペラシオンはドメーヌ アントナン ギヨンの名がラベルに冠されています。これだけ広大なブドウ畑をもちながらビオロジック栽培にも熱心で、2015年から正式に移行しました。
ワイン醸造はいたってトラディショナルです。畑と醸造所の2回にわたって選果をし、完全除梗のうえ、発酵前に10度の低温浸漬、ピジャージュ、ルモンタージュ、デレスタージュによって抽出を行います。発酵容器は古式ゆかしき木製の開放槽。熟成用の樽はフランソワ フレールとダミーを中心とし、新樽の比率は平均25パーセントです。赤は18ヶ月間の熟成を施します。また白は全房で圧搾後、小樽発酵。週に1回のバトナージュを行い、コルトン シャルルマーニュの18ヶ月は例外として、他のアペラシオンはだいたい12ヶ月の樽熟成を行います。
白はピュリニー モンラッシェの1級ピュセル、ムルソーの1級シャルム、それに特級コルトン シャルルマーニュ。赤は特級にコルトン ブレッサンド、コルトン クロ デュ ロワ、そしてシャルム シャンベルタンといった銘醸畑をもっています。
評論家受けを狙った大柄なタイプではなく、アントナン ギヨンのワインは繊細にしてエレガント。料理と寄り添う、伝統的なスタイルを貫いています。