ツァーヘル ウィーナー ゲミシュター サッツ DAC 2021
畑: ヌスベルク(石灰質土壌)、オーバラー(砂質、粘土質土壌)、マウアー(粘土質土壌)
醸造: ステンレススティールタンクで自然酵母にて自発的醗酵の後、澱と共に12ヶ月間熟成(シュール リー)した後ボトリング。
テイスティング コメント
グリーンがかった淡いレモンイエロー。白桃、洋梨、青リンゴ、ライムを思わせるフレッシュ フルーティーなアロマ。そしてジャスミン、カルダモン、ホワイトペッパー、ミネラルのノート。口に含むと活気がありジューシー。ドライながらほのかに甘みを感じ、ピチピチと弾ける爽快感が心地よい。くっきりとした輪郭をもち、豊かな酸味がエレガントなスタイルに仕上げている。引き締まったフィニッシュ、余韻に果実のフレーヴァーが持続。飲む温度は8~10度、しっかりと冷やして。
合う料理 食前酒、サラダ類、シーフード、フライドチキン、揚げ物 レモン添え、シャルキュトリーなど。
2022年7月試飲
ツァーヘル
ツァーヘルのワイナリーは1766年マリア・テレジアによって“マウワー”の小学校として建てられました。ツァーヘル家は3世代に亘ってワイン造りを行っています。わずか0.5ヘクタールの畑から、ホイリゲは4つのテーブルから始めました。今日ツァーヘルはウィーンでも最も有名な畑ヌスベルクなど、ウィーン全ての葡萄生産地に畑を持つまでに成長しました。日本へは2005年以来毎年安定した品質のホイリゲ(新酒)を輸出しており、日本市場におけるホイリゲワインの草分け的存在です。エステートのロゴの「バタフライ蝶」は自然な葡萄栽培を象徴しています。
ゲミシュター サッツとは
ゲミシュター サッツとは混植のことで、同じ畑に異なったブドウ品種を一緒に植えることです。ブドウは同じ日に、一日で収穫され、発酵もミックスしておこないますが、それぞれの品種の個性を最もよく表すことができます。もともとこの方法は、ブドウの作り手のリスク分散のために行われたもので、悪い年でも一定の収量と品質を保てるようにとの考えから始まったものですが、過去20年の間でゲミシュターサッツはすっかり生まれ変わりました。混植を洗練し、最高の醸造テクニックを用いることにより、ツァーヘルのようなワイナリーがそのフレッシュで、テロワールの持ち味を生かした素晴らしいゲミシュター サッツをつくったことで、再びスポットライトが当たるようになりました。
2013年のヴィンテージからウィーンはオーストリアワイン法におけるDAC(Districtus Austriae Controllatus)に登録され、オーストリアの伝統的で、ウィーンの地域に根差した地元のワインであるゲミシュター サッツが公に認定されたのです。ウィーナー ゲミシュター サッツはまさにウィーンの独特なテロワールを表現しています。
ホイリゲとは
ホイリゲはオーストリアを代表するワインですが、ホイリゲの故郷といわれるウィーンで造られるホイリゲが本場のホイリゲと言えます。“ホイリゲ”には2つの意味があり、1つはその年収穫してできた“新酒”のことで聖マーティンの日(11月11日)から1年間ホイリゲとして飲まれます。もうひとつはそのホイリゲワインをだす“居酒屋”のことをさします。
ホイリゲ=居酒屋の歴史
ホイリゲと呼ばれる居酒屋の歴史は今から220年以上前に遡ります。マリア テレジアの息子である皇帝ヨーゼフ2世はウィーンの葡萄農家に「自家製ワインを小売し、簡単な食事を供してよい」という特別許可を与えました。
