レ ゾー デュ テルトル 2018
マルゴーで、ムラのない安定した品質が人気のシャトー デュ テルトルのセカンドワイン。
テイスティング コメント
艶のあるガーネット。ブラックチェリーやスグリ、甘草のアロマとメンソール、燻したハーブ、スパイスのノート。そしてバニラやタバコ、鉛筆の芯、芳しいオークの香りが混ざり合う。アタックはソフトでなめらか。繊細なタンニンからなるエレガントな構造をもち、質感はシームレス。純度の高い果実味が柔らかに広がり、酸味は穏やかでバランスがとれている。ボディは中庸、ミディアムからフルボディで洗練された味わいの中、コクと長い余韻が楽しめる。
合う料理、牛・仔羊肉のロースト、仔羊のガーリック焼き、茸のバターソテー。
2022年8月試飲
シャトー デュ テルトル
講談社「BORDEAUX ボルドー 第4版」ロバート パーカーJr.著より抜粋
テルトルはマルゴーのアペラシオンで最も標高の高い台地にあり、サン=テステフの有名シャトー、カロン=セギュールの所有者だった故フィリップ・カベルン・ガスクトンが1961年に手に入れた。その当時、このシャトーは実に哀れな状態で、ガスクトンと彼の投資者たちはこれを建て直し、ブドウを植え替えるための大規模な計画に着手した。しかし12年前まで、このシャトーのワインは忘れられがちだった。飾り気はないがエレガントな砂色の二階建てのシャトーはメドックで最も辺鄙な地域の1つにある(アルサックから1kmと離れておらず、モンブリゾンのそば)。1998年、このシャトーはガスクトン夫人によってエリック・アルバダ・イエルヘルスマに売却された。彼は、近くにあるジスクールも同様に買収した。
珍しいことに、ここのブドウ畑は、多くのボルドーのシャトーのブドウ畑と異なって連続しており、区画が散在しているわけではない。一見、ドメーヌ・ド・シュヴァリエを彷彿させるものがある。1978年以降、最高のヴィンテージのものは、比較的深みのある色とあふれんばかりの力強さや豊かさを特色としているが、フィネスや、マルゴーワインの魅力となるあの極上の芳香には欠けるかもしれない。しかしながら、このワインは手頃な価格で売られ続けており、そのためにボルドーの格付けシャトーの中で最も過少評価されている。
一般的な評価
ボルドーの格付けシャトーで最もお値打ち品のワインでありながら、デュ・テルトルは1978年以来ずっと出来にムラが無い。エリック・アルバダ・イエルヘルスマに買収されてから、このシャトーは劇的な変化を遂げた。ここ4~5年の連続したヴィンテージに生産されたワインがそれを証明している。価格はいまだにリーズナブルなので、消費者が注目すべきシャトーである。