ドメーヌ アルベール グリヴォー ムルソー プルミエ クリュ ペリエール 2019
クロ デ ペリエールよりも平均樹齢が高く、緊張感が支配するクロに対して、よりムルソーらしい包容力を感じさせます。畑にごろごろ転がる小石の効果でブドウはよく熟し、リッチな味わい。石灰質の強いミネラルがバランスを保っています。
平均樹齢: 35年
熟成: オーク樽 11か月
テイスティング コメント
輝きのあるレモンイエロー、微かにグリーンのトーン。ローストしたアーモンド、ヘーゼルナッツの香りと洋梨、ドライアプリコット、シトラス、サンザシなどの繊細なアロマ。そしてバター、砕石、火打石、石灰的なミネラルのノート。味わいはリッチでなめらか。豊富なミネラルを伴う力強い果実味ながらクリーミーな質感を持ち伸びやかに広がっていく。たっぷりとした旨み、ストラクチャーがあり、フィネスを纏う。端正でエレガントな酸がバランスよく優雅な余韻へと誘う。
合う料理 オマールや伊勢海老のソース添え、クリーム系肉料理、フォアグラ、鉄板焼き、青カビチーズなど。
2022年8月試飲
ドメーヌ アルベール グリヴォー
特級昇格を待つクロ デ ペリエール
もしもムルソーに特級畑が認められるとすれば、真っ先に名前が挙がるクリマがクロ デ ペリエールです。ペリエールの優位性はよく知られておりますが、斜面上部のペリエール デュシュと下部のペリエール ドゥスゥでは後者のほうが格上になります。さらにその中心部にあたるペリエールこそ特級に相応しいと言われています。石垣に囲まれた0.95haの小さな区画。この畑から鋼のように強靭なミネラルと、濃密な凝縮感をもつ白ワインが生み出されるのです。
クロ デ ペリエールはドメーヌ アルベール グリヴォーのモノポール畑です。今日、ドメーヌを運営するのはアルベール グリヴォーの孫にあたる、ミシェル バルデ夫妻。クロ デ ペリエールのほか、通常のペリエール、村名ムルソー、ブルゴーニュ ブラン、ポマール1級クロ ブランの5アペラシオンに、合計6haのブドウ畑を所有しています。白でも長期熟成の可能なワインがこのドメーヌの方針で、とくにクロ デ ペリエールにいたっては10年でも20年でも問題なく寝かしておくことができます。なおかつ熟成が頂点に達した時の素晴らしさは、この世のものとも思えない幸せが味わえるでしょう。
白ワインの醸造法は、手摘みしたブドウを圧搾し、オーク樽で発酵。新樽率は村名ムルソーで10%、1級ペリエールとクロ デ ペリエールが20%、ブルゴーニュ ブランは古樽のみ。熟成期間はすべてのアペラシオンにおいて11ヶ月。
村名ムルソーはオー クロという区画のもの。ブルゴーニュ ブランの畑もムルソー村の中にあり、凡百なブルゴーニュ ブランとはひと味異なるリッチさとミネラルが味わえます。ペリエールとクロ デ ペリエールの違いは粘土の強さ。クロのほうにより多くの粘土が含まれ、リッチなボディを形成します。
ドメーヌ唯一の赤ワインがポマールの1級クロ ブラン。もちろんピノ ノワールの植えられた畑ですが、かつてシトー派の修道士がこの畑に白ブドウを植えていたためこの名前がつけられました。グラン ゼプノの南に隣接し、白っぽい土壌です。ポマールとしては繊細で、柔らかなタッチの赤ワインが生まれます。
リッチさばかりが強調されたムルソーの多い中、ミネラルのしっかりしたグリヴォーのワインは飲み手に多少の忍耐を要求するものの、じつに貴重な存在といえるでしょう。