ローラン ポンソ ジュヴレ シャンベルタン キュヴェ ド ローヌ 2019
評価
2019VT ジャスパー モリス: 93点獲得
テイスティング コメント
落ち着いたルビーレッドの外観。香りはラズベリー、赤や黒のスグリ、チェリーなど魅力的なアロマが溢れ、シナモン、甘草、ドライハーブの香りがアクセント。続いて大地、下草、ミネラルのニュアンスを感じる。口に含むとなめらかでピュア。非常に綺麗な酸がありしっとりとしたテクスチャー。ベルベットのような包み込むタンニン、全体に丸みを帯びる。力強いジュヴレにあって官能的なしなやかさを合わせ持ち、滋味深い味わい。気品漂う優雅なアフター。フルーティーで、若いうちから楽しめる。
合う料理 赤身肉料理、鴨肉のロースト、ジビエ、マグロの赤ワイン煮など。
2022年9月試飲
ローラン ポンソ
ローラン ポンソの「こだわり」が詰まったネゴシアン
2017年2月、ローラン ポンソが36年間携わったドメーヌ ポンソを離れ、その直後の同年4月に、ネゴシアン「ローラン ポンソ」を立ち上げました。オフィスは、ジリー レ シトー村の産業地区に構え、このオフィス裏とコルゴロワンに熟成用の設備や、畑作業用の機器置場を設けています。2018年1月には愛息のクレメンが当主に着任しています。
ワインは、ローラン自身とクルチエのネットワークから質の高いブドウを購入して造られます。ブドウ、圧搾果汁、発酵果汁の状態で購入しますが、まれにごく初期の樽に入った状態ものも含まれ、収穫直後できる限り早くセラーに持ち込まれます。ワインになった完成品の状態や瓶詰直前のものを購入することは絶対にありません。また、ローランがドメーヌ ポンソの頃から所有していた畑もあり、ローラン ポンソ社が形式的にブドウを買い取る形で醸造します。
ブドウは、所有畑、メテヤージュを含め各アペラシオンの素晴らしい区画で栽培されます。オーガニックではありませんが、農薬は使用せず、自然に忠実な耕作を続ける区画です。
ワイン造りでこだわっている樽熟成。熟成のサイクルを尊重し、樽はあくまでも酸素に触れる役割と考えているため、新樽は一切使用しません。SO2の添加も最低限に抑え、必要ないと判断すれば使用することはありません。
ローランがドメーヌ ポンソ時代から貫く、伝統とハイテクの融合への探求は健在です。全てのブドウに関する過去の分析データは持っており、その他にも特殊コルクや、SO2の代わりとしての天然ガスの使用、“インテリジェント ケース”による輸送中の温度管理、真正性の保護などがあります。さらに、2018年には、NFC(近距離無線通信)チップの使用で、現地から消費者までのワインの温度変化が把握できるようになりました。
他にも、既に試作品が完成している、赤ワイン、白ワイン専用の醸造タンクや未来的なラベル、ブルゴーニュでは珍しいパッケージデザインなど、ローランの多くのアイデアが詰まっています
ローラン ポンソ社のファーストヴィンテージは、2016年。しかし、実は2015年も造っており、ローラン所有の畑で収穫されたブドウを100%使用している “ドメーヌ”ワインだ。ラベルには、“An Zero”の文字が特別に刻まれています。
全てのワインにキュヴェ名がついていて、基本的には白ワインには花の名前が、赤は木の名前が付けられています。唯一シャンボール ミュジニー 1級 シャルムのみ“Cuvee Violet”とスミレを意味する花の名がついています。これらは、ワインを飲む前に全て彼のインスピレーションで決められています。
先入観を持たずに、飲み手に印象を創ってほしいということから、ローランはワインの味わいコメントは話しません。こだわりのつまった「ローラン ポンソ」、是非飲んで体験してください。