ヴィノジア タウラジ サンタンドレア 2016
パテルノポリに位置する海抜500mの石灰質の火山性土壌。北西向き斜面の畑。昼夜の寒暖差が大きいミクロクリマが香り高さと熟度を育みます。黒い果実やチョコレートの濃厚な香りにスパイスのヒント。目の詰まった凝縮感ある果実に豊富なタンニン。ふくよかさを堅固なストラクチャーが包み込む端正な味わいです。
醸造・熟成: バリックで発酵、14ヶ月熟成(新樽70%)
評価
2016VT デカンター ワールド ワイン アワード2022: プラチナム 97点獲得
テイスティング コメント
輝きのある濃いガーネット。ブラックベリー、ダークチェリー、プルーンの香り。そして甘草、ペッパー、タバコ、コーヒー、チョコレート。燻製や皮革などほんのり熟成香も漂う。味わいはなめらか。濃密な果実味に溶け込んだタンニン、非常にシルキーな舌触りで豊かな酸味が調和したエレガントなスタイル。野性味のある辛口で、スパイスのヒントが果実の甘さを引きたてる。
合う料理 牛肉のタリアータ、牛肉の赤ワイン煮込み、牛・鴨肉のロースト、チョリソーなど。
2022年10月試飲
ヴィノジア
カンパーニャの先駆者であり、モダン タウラジのトップ生産者
カンパーニャ州の内陸部に広がる丘陵地帯イルピニアは、タウラジ、フィアーノ ディ アヴェリーノ、グレコ ディ トゥーフォという3つのDOCGを抱えるワイン造りの中心地域です。この地のポテンシャルを世界に知らしめた先駆的存在、フェウディ ディ サングレゴリオの設立者の一人 マリオ エルコリーノは、同醸造所で醸造責任者を務めつつ自らのアイデアを表現できる新たな場所を探していました。アブルッツォのファルネーゼが興した数々の共同プロジェクトにもエノロゴとして参加していた彼は、理想の土地を求めてイタリア各地のブドウを試食していましたが、故郷のイルピニアを旅行中に、口にしたブドウの香り高さに衝撃を受け、この地で受け継がれてきた土着ブドウから頂点のワインを生み出そうと決意。弟のルチアーノとともにサン グレゴリオから独立し、2003年にヴィノジアを設立しました。
土着品種の個性を現代の感性で
セラーを構えるのは、ヴェスヴィオ火山の麓にあるルオゴザーノ(DOCGタウラジのコミューンのひとつ)で、イルピニア全域に広がる所有畑は海抜400-700mに位置しています。石灰や粘土を含むミネラル豊富な古い火山性土壌の畑ではファランギーナ、グレコ、フィアーノやアリアニコといった土着ブドウのみが栽培されており、この独特な土壌に加えて海抜の高さと昼夜の寒暖差が大きい大陸性気候により、ヴィノジアのワインの特徴であるエレガンスとミネラル感がもたらされます。これらの恩恵を最大限ワインに反映させるため、それぞれのブドウに最適な仕立てや植樹密度を考え、収量を制限し、ブドウが完璧に熟するまで待って手作業で収穫を行ないます。特に黒ブドウにおいてはブドウの実だけでなく茎まで成熟するよう注意が払われています。また、隣州のプーリアでも契約畑のブドウからワインを手掛けていますが、ただブドウを買うだけでなく、クオリティを確保するため自社畑と同じく栽培から深く関わっています。
醸造過程において彼らが最も重要視するのは、ブドウの果実味をワインの中に完全に移し、果実味の中にそれぞれのブドウの特徴、ひいてはそのブドウが育ったテロワールを表現することです。土着ブドウの個性と現代的な感性が見事に融合したワインは非常にクリーンで美しい。既に、サン グレゴリオはもちろんマストロベラルディーノなど古参のトップ生産者に並び、カンパーニャ最高のワインを手掛ける造り手の一人に数えられています。サン グレゴリオでの様々な革新的な試みの中で得た経験のおかげで直に満足のいく結果が得られたといいますが、「すぐにそして普遍的に楽しめるワインを造ること」、「造り手の想いとテロワールが詰まったワインを飲み手により身近に感じてもらうこと」を目標に、現状に慢心することなく更なる高みを目指しています。
