ジョセフ フェヴレ ブルゴーニュ ピノ ノワール 2021
ブルゴーニュに140haを所有する大ドメーヌであるフェヴレがつくるベーシックワイン。輝きのある美しいルビー色。ラズベリーやグロゼイユ(赤スグリ)など、赤い果実を思い起こさせる、典型的なブルゴーニュ ピノ ノワールのアロマ。全体的に調和がとれ、チャーミングなフィニッシュ。
テイスティング コメント
輝きのあるルビーレッド。香りはラズベリー、赤スグリ、赤い果実を思わせる。そしてオレンジピールやシナモン、僅かに鉄っぽいニュアンスを感じる。口当たりはなめらかで調和のとれた酸味、非常に柔らかく伸びやかに広がっていく。チェリーの心地よい風味、チャーミングな後味。全体的に品が良く軽やかな仕上がり。
合う料理 シャルキュトリー、ポトフ、鴨の治部煮、ローストポークなど。
2023年4月試飲(2020年ヴィンテージ)
ドメーヌ フェヴレ / ジョセフ フェヴレ
ニュイ サン ジョルジュに本拠を置くフェヴレ社は、1825年の創立から7代にわたって続くグラン メゾンです。4代目のジョルジュ フェヴレは、かの有名なコンフレリー デ シュヴァリエ デュ タストヴァン(利き酒騎士団)の創設者のひとりとして知られ、オスピス ド ニュイ サン ジョルジュのキュヴェにも、レ サン ジョルジュ キュヴェ ジョルジュ フェヴレとしてその名を残します。
広大な自社畑から造られるドメーヌもののワインが、全生産量の8割を占めており、これがフェヴレが数ある他のネゴシアンと一線を画す要因でもあります。コート ド ニュイ、コート ド ボーヌ、そしてコート シャロネーズまで、合わせて120haもの自社畑を所有し、シャンベルタン クロ ド ベーズやエシェゾーなどグラン クリュに10ha、ニュイ サン ジョルジュのレ サン ジョルジュやジュヴレ シャンベルタンのクロ デ ジサールなどプルミエ クリュに25haの畑をもちます。ひとつのクリマの面積は平均して1haと決して大きくはないですが、それだからこそクリマごとに手の込んだシュール ムジュール、すなわちオーダーメイドのワイン造りを行うことができるのです。
フェヴレが所有する120ヘクタールの自社畑のうち、半分以上の68ヘクタールはコート シャロネーズに位置します。フェヴレ家がこの地域の潜在的な可能性に気付いたのは、第一次世界大戦と世界恐慌により産地が疲弊していた1933年のことでした。この年にジョルジュ フェヴレが賃貸耕作を始め、1963年には5代目のギィ フェヴレがメルキュレイに最初の畑を購入。その面積を徐々に増やし、今日、ジヴリィ、リュリィ、モンタニー、ブーズロンまで、コート シャロネーズ全域に版図を広げています。メルキュレイ プルミエ クリュ クロ デ ミグランをはじめとする数々のモノポール(単独所有)畑を手に入れ、コート シャロネーズならフェヴレとまで言われるまでに成長しました。
今日、メゾンを率いるのは、2005年に25歳の若さで事業を引き継いだエルワン フェヴレ。奇しくも彼の父、フランソワ フェヴレがメゾンを継承したのも25歳の時であったといいます。エルワンは当主の座に就くや否や、改革を断行し、若いうちはなかなか飲みづらく、長年寝かせて初めて花開く典型的な長期熟成型のワインを、比較的早いうちに飲み頃を迎え、かつ長期の熟成もでき得るワインへとスタイルを変えていきました。さらに、本拠がニュイ サン ジョルジュということもあり、コート ド ニュイの赤ワインに特化しがちだったポートフォリオをコート ド ボーヌの白にも広げるべく、2008年にグラン クリュのバタール モンラッシェとビアンヴニュ バタール モンラッシェを入手。同時にピュリニー モンラッシェ プルミエ クリュのガレンヌも加わり、壮観なラインナップを完成させました。また、ムルソーではマトロ ウィッターシェイムと契約を締結。形式上は買いブドウによるネゴスものですが、実際にはブドウ栽培からフェヴレのスタッフが携わっています。
ニュイ サン ジョルジュ最高のクリマ、レ サン ジョルジュのグラン クリュ昇格を同年代の造り手とともに働きかけるエルワン フェヴレ。新しい当主のもと、フェヴレ社はさらなる高みを目指して進化し続けています。