ベイラ(ルイ ロボレド マデイラ) ベイラ スペリオール ティント 2019
ベイラ インテリオールのテロワールが持つポテンシャルの高さが体感できる1本
長期熟成向きのワインにするため、一番良いと思うタイミングで葡萄を収穫しています。毎年同じ区画ではなく、ヴィンテージごとに最も良いと判断した区画の葡萄を使っています。素晴らしく集約があり、それでいてフレッシュ、様々な品種をブレンドすることにより、複雑なアロマが生まれます。痩せたストレスの多い土壌で育った葡萄がもたらす力強さ、厚み、そして骨格が感じられます。畑の標高は平均で700m、土壌はシスト、葡萄の樹齢は40年以上です。収穫は10月の第3週から11月の第1週に行います。手摘みで収穫した葡萄は除梗、破砕し、すべての品種を一緒に混ぜて発酵させます。アルコール発酵は天然酵母を使い、コンクリートタンクで22~26度に温度コントロールしながら7日間行います。熟成はフレンチオーク樽で8~12ヶ月行います。
評価
2019VT Concusro Vinhos da Beira Interior 2021 : BEST WINE 受賞
テイスティング コメント
深みのあるガーネットの色調。香りはブラックベリーやプラムなどの果実のアロマに、スミレの花、甘草、芳ばしい樽のニュアンス。スパイシーバニラやコーヒー、チョコレート、土っぽい香りが現われる。味わいはふくよかでしっかりとした構造。力強いタンニン、凝縮感のある濃厚な果実味ながら酸はフレッシュで溶け込んでおり飲み心地が良い。重く残らない絶妙のバランスで、持続性のある余韻。
合う料理 ジビエ、赤身肉料理、野菜のグリル、チーズであればパルミジャーノ レッジャーノ、コンテなどのハードタイプ。
2023年5月試飲
ベイラ(ルイ ロボレド マデイラ)
ルイ ロボレド マデイラは、ポルトガルのワイン産業を牽引する注目の生産者のひとつです。1999年の設立以来、DOCドウロとDOCベイラ インテリオールの2つのエリアで、様々なワインを造り続けています。オーナーのルイが初めてワイン造りに携わったのは、1987年のことでした。山々に囲まれた標高600~700mのベイラ インテリオールの土地で、葡萄を収穫し、ワインを造りました。その後、ドウロでワイン造りを経た後、2011年に「ベイラ」というワイナリーを購入しました。ルイは、「ベイラ インテリオールは古くからワイン造りが行われてきた土地ですが、ドウロの影に隠れて忘れられていました。ミネラル感が特徴的な、エレガントなワインができるので、樽を使いすぎず、個性を表現したワインを造っています」と話します。
一方、ルイが初めて自らのブランドとして立ち上げたのは、ドウロの「カステロ ダルバ」です。ドウロは、ポートワインの供給地として有名ですが、近年では辛口のスティルワインの品質の高さでも知られています。ルイは、87haの自家畑の葡萄に加え、契約農家や農協からも葡萄を買い付け、素晴らしい辛口のワインを造り出しています。
ヒュー ジョンソンの『ポケットワインブック2022』では、ドウロの注目の生産者、ベイラ インテリオールのベスト生産者にルイのワイナリーの名前が挙げられています。また、ワイン アドヴォケイトの2022年7月30日付の記事では、ベイラについて、「これはマイナーな土地や知名度の低い生産者から、非常にコストパフォーマンスが高いワインが入手できる素晴らしく良い例だ。ここには良い価格の美味しいワインがたくさんある」と賞賛されました。
DOCベイラ インテリオール
『The World Atlas of Wine(世界のワイン図鑑)第8版』では、「やせた花崗岩と片岩の土壌と大陸性気候という条件は確実に可能性を秘めている」と記されていますが、産地として大きく取り上げられてはおらず、まだまだその知名度は高くはありません。しかしながら、著者のひとりであるヒュー ジョンソンの『ポケットワインブック 2022』では、ベイラ インテリオールは赤1星→赤3星と評価されており、「高いポテンシャルを持つ隠れた宝石のようなDOC」と記されています。葡萄畑は、エストレーラ、マローファ、マルカタの山々に囲まれており、標高600m~750mという高地にあります。土壌は、周辺を囲む山に由来する花崗岩を主体とし、残りはドウロ川に運ばれたシストで構成され、数多くの石英の鉱脈が見られます。この土壌は空気を多く含む痩せた土壌のため、収量は自然に低くなります。日当たりが良く、石英を含む土壌が地表から日光を反射させるため、葡萄はしっかりと熟します。気候は他のエリアより涼しく、また昼夜の気温差が大きいおかげで高い酸のレベルを保つことが出来ます。また、夜間の気温が低いため、葡萄の成熟はゆっくりと進み、アロマとフレイバーの集約がもたらされます。