ヴェレノージ ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ 2016
このワインの甘さ(4g)は、フルクトース(果糖)によるもので、補糖ゼロの自然な甘さ。これがラクリマの特徴です。ラクリマは、ヴェルディッキオの隣で、海に面したエリアでしか育ちません。ラクリマだけがその土壌に適し、個性的に育ちます。何世紀にも渡って、後世に残る品種としてラクリマを植えました。主に粘土質土壌です。通常、9月半ばに、小さなケースに入れ収穫します。念入りに選別した後、発酵します。除梗後、温度管理出来るステンレスタンクで行います。醸しは20日以上します。
【テイスティング・コメント】
紫を帯びた濃いルビー。粘性は中程度からやや高め。アロマは強く芳香性が豊かで、バラやラベンダー、カシス、ラズベリーを思わせ、クローブやシナモンなどのスパイシーな香りがアクセント。フレッシュかつフローラルな芳香、ミネラルが洗練さを与える。アタックはソフトでなめらか。果実味はミネラルを含み、瑞々しい酸とのバランス。香り同様のフレッシュさとフローラルな個性を解き放ち、辛口にして優しい甘さを伴う。赤や紫の花束、完熟した黒のベリーやチェリー、白ワインではないがマスカットに似たニュアンスも現れ、充実したエキス分が感じられる。フルーティーさに加えてソフトなタンニンから飲みやすさ・親しみやすさがあり、後味はさわやか。一貫してエレガントな仕上がりでアフターには果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理はミートソースのパスタやピッツァ、ハンバーグ、鶏肉のトマト煮、ラタトゥイユ、ブイヤベースの魚介スープなどがオススメ。
※2016年6月試飲(2014年ヴィンテージ)
■ヴェレノージ
ヴェレノージは、イタリアのアドリア海沿岸のほぼ中心に位置するマルケ州のアスコッリ・ピチェーノ地方でワイン造りを行う、注目を集める生産者です。父の自家用のワイン造りを小さい頃から手伝っていたエルコレが、抑えきれない情熱とともに始めたワイン造りは徐々に拡がり、現在では105haもの葡萄畑となりました。かつては「無口な職人エルコレ」というイメージでしたが、今は20名の若いスタッフが協力して品質向上に努めるチームとなっています。エルコレはテイスティングやワインの総合管理を行い、個々のワインには担当者がいて、全ての決定はスタッフ全員で行っています。
2002年6月から、トスカーナ出身のトップエノロゴ、アッティリオ・パリをコンサルタントに迎えました。かの著名なワイン評論家ロバート・パーカー Jr.は「ワインアドヴォケイト、152」で、アッティリオ・パリの参加について『重要な動き』として言及し、『マルケ南部のリーダー的生産者となりつつあることを確信している。』と書いています。
日当たりのよい斜面の畑から注意深くデリケートに栽培された葡萄を、各ワインのタイプにとって、最もアルコール含有量が適当となる糖度の時期に収穫します。また、ワインへの醸造は生産サイクルの重要なプロセスです。畑での作業の結果を十分生かすため、コンピュータ管理された温度コントロールした醸造方法、ソフトでデリケートなダメージをもたらさないプレス、ワインの種類によって様々なサイズや種類のステンレスタンクやオーク樽を使い分ける熟成が、色、味、ブーケ、アフターがパーフェクトなバランスの品質につながります。
ロッソ ピチェーノの最良の生産者として掲載
エルコレのワインはすでに国内外で高く評価され、ヒュー・ジョンソンの「ポケットワインブック」ではロッソ ピチェーノの最良の生産者として、イタリアワインのガイドとして名高い「ガンベロ・ロッソ」でも好評価を得ています。ほとんどのイタリアワインが集う展示会ヴィニタリィの品評会や、その他国内外の品評会でも毎年のように受賞しています。