アナコタ ヘレナ ダコタ ヴィンヤード カベルネ ソーヴィニヨン 2013
約5ヘクタールのヘレナ ダコタ畑はセント ヘレナ山の下方、標高228.6m地点に位置します。モンタナよりも冷涼な地区ですが、極端な熱波や寒気の影響もなく、安定したミクロクライメートを持ちます。土壌は、赤茶色した礫を含むシルトローム質土壌と火山岩から成ります。パワーを持ちながらも、卓越した赤系果実と洗練されたミネラル感を持つ、フェミニンでエレガンスなタンニンを持つカベルネです。
熟成:フレンチオークで15ヶ月 (新樽50% / 225L)
評価
2013Vt ワイン アドヴォケイト: 98獲得
テイスティング コメント
紫がかった深いガーネット(グラスの底は見えない)。香りは力強く濃縮感がただよい、熟したブラックベリーやプルーン、カシスリキュール、スミレの花を想わせる。そしてビターチョコレート、カカオパウダー、バニラなどの樽香、杉、クローブやナツメグなどのスパイスの香り、レザー、湿った土や石のニュアンス。味わいはなめらかで濃厚。品種特有の力強さはもちろんだがしなやかさをあわせもち、高いアルコール分にも負けない洗練されたミネラルが味わいの核となる。過度な甘さを抑え、活き活きとしており、熟したタンニンが層状の深みとコクをもたらしている。官能的、かつ並外れた凝縮味があり余韻の長さも突出している。合わせるお料理は、赤身肉のロースト、スペアリブ、ラムチョップのバルサミコソース、すき焼きなど。
※2021年12月試飲(2012年ヴィンテージ)
アナコタ
奇才ピエール セイヤン氏が造る初のソノマ産カベルネ100%ブランド
ソノマ産アイコンワインの一つとして知られる 「ヴェリテ」の最高醸造責任者を務めるフランス人醸造家ピエール セイヤン氏が、更なるソノマ カウンティの可能性を体現化させた話題のブランドがこの「アナコタ」です。
ソノマの類まれなるテロワールに魅せられた氏が、中でも特別と語るナイツ ヴァレー、セント ヘレナ山に位置する二つの単一畑から、カベルネ100%のワインを生み出しました。数百年前の噴火で堆積した火山岩が母岩となって残るユニークな地質環境を持つナイツ ヴァレーの、異なる標高差、傾斜度、気候環境、そして岩の多い土壌環境を持つ二つのクリュ畑。この特別な区画こそが、セイヤン氏の目指すテロワールワインを描き出します。ロワールやボルドーで20年以上ワイン造りに携わってきた氏が惚れ込んだソノマの地で、ブレンドではなく、本当の意味でのテロワールを表現すべく単一品種だけで挑戦した「アナコタ」はセイヤン氏の集大成とも言えるワインです。
完熟ブドウが当たり前になっているカリフォルニアで敢えて早摘みを行い、エレガンスを追及。素朴でありながらも、洗練されたソノマのスピリットを宿したワインは、評論家をはじめワインラヴァーの間で大きな話題となっています。
パーカーポイント満点8回を誇る、敏腕醸造家ピエール セイヤン氏
1950年フランス、ガスコーニュ地方に生まれる。実家がアルマニャック地方に畑を所有していたことも有り、若いころからテロワールの重要性について身を持って学んできました。地元では、ボルドー品種と向き合い醸造の道に入ります。そして、更に専門性を高めるため、30年に及びフランスの異なる地域において、様々なワイン造りに携わり成功を収めてきました。ロワールでは「シャトー ド タルジェ」でカベルネ フランを学び、ボルドーでは数々のブドウ畑からテロワールワインを生み出し、クリュの概念を研ぎ澄ませたワインスタイルを作り上げていきました。
そして、1990年半ばにはその活躍の場をアメリカに移します。ソノマ カウンティの山や斜面に位置する畑は、衝撃的なものでした。理想的な栽培環境を目の当たりにし、この地でソノマの最高峰といえるアイコンワイン「ヴェリテ」を生み出します。ヴェリテは初ヴィンテージから注目を集め、WAでは100点を幾度と獲得。今日では、ソノマワインにとって、最も重要な醸造家としてその名は広く知られるようになりました。
ヴェリテでのワイン造りを通し、ソノマのテロワールを見てきた、セイヤン氏ですが、ヴェリテに使用するカベルネが生まれる「ナイツ ヴァレー」の地の秀でたテロワールに魅せられていきます。「この地は特別だ」と確信を持ったセイヤン氏が次に取った行動が、カベルネ100%で造るナイツ ヴァレー産の赤ワイン。こうして2001年、究極のカベルネとも言える「アナコタ」が誕生しました。
収穫のタイミングが美しいワインを生む
完熟ワイン、完熟ブドウというイメージが強いカリフォルニアにおいて、セイヤン氏はあえて早摘みでブドウを収穫します。ブドウの熟度も大切ですが、同時にテロワールを表現させることも重要です。この特別なテロワールをワインの中で最大限に表現するためブドウの収穫は他の畑より早く行います。この結果、ワインのアルコール度数も低めとなり、美しくエレガントなカベルネが生み出されています。