エスターハージー テソロ 2011
畑:メルロ・・・クラカウワー、シュナイダータイル、サンクト・ゲオリゲン
ブラウフレンキッシュ・・・コーゲル、グロスホーフライン
土壌:メルロの土壌は20~40cmの貝殻石灰質土壌の下に巨大なスレートの基盤岩があり、葡萄の樹はそのスレートを砕いてまっすぐ下に根をはります。一方、ブラウフレンキッシュはグロスフェーフラインの町の近くにあるフォリックの畑から収穫されます。土壌はライタゲベルクが浸食され出来た三角州で、高い割合でクレイとライムストーンです。
醸造:葡萄の実はプレスせずに木製大樽で28-30℃で24日間醗酵させます。その後、新樽で19ケ月間熟成。
“テソロ”はエスターハージーのフラッグシップワインです。2011ヴィンテージはフランスの有名コンサルタント“ステファン・デュルノンクール”が監修。ゴージャスでより長期熟成が期待できます。
【テイスティング・コメント】
深いガーネット。粘性は高め。香りにはブラックチェリーやブラックベリーなどの黒果実、バラのドライフラワー、ハーブ、ブラックペッパーやタイムなどのスパイシーなノート。豊富なスパイスと野性味に溢れた複雑な芳香。他に樽からくるバニラやビターチョコの香り、木々、タバコ、ジャーキー、土、ミネラルのニュアンスが混じり合う。アタックはソフトでなめらか。果実味は新鮮でオークの要素が溶け込んでおりスパイスの豊富さが味わいの核を成す。非常にキメ細かなタンニンが絡み合い、層状の舌触りとがっしりとした肉厚なボディ感を備える。筋肉質で熟した、豊かな風味ながらミネラルが上品な酸とともに味わいを支えるエレガントな仕上がり。辛口で、ストラクチャーがしっかりとしたリッチなフルボディ。アフターの持続性があり心地よい渋みとともにビターな余韻が続く。合わせるお料理は、赤身肉のステーキ、ジビエ、熟成チーズなどがオススメ。
※2016年4月試飲
■エスターハージー
アイゼンシュタット市の郊外に、エスターハージー宮殿を望み、モダンなデザインのワイナリーが建てられました。他社とは比べようのない独自のワイン醸造技術は、土地の特徴とそれぞれのブドウ品種のアロマとフレーバーのすべてをワイングラスにまでもたらし、味わい楽しめることを第一に考えたものです。代々受け継がれてきたワイン造りの伝統と近代的な技術を結びつけることを目標に掲げ、高品質なワインを世に送り出しています。エスターハージー・ワイナリーは、オーストリアにてワイン醸造の技術の開発と最新技術の導入におけるリーダーシップを担っています。
ブルゲンランド州の重要な文化遺産「エスターハージー宮殿」
エスターハージー公爵家の豪華な宮廷の生活は非常に有名でした。マリア・テレジア皇后のみならず、エスターハージー・ワインは多くの人々から高い評価を受けていました。このワインはパノニアのマイルドな特別な気候で育ったブドウをエスターハージー宮殿のワインセラーで醸造した高級ワインです。世界的に有名な音楽家ヨーゼフ・ハイドンは長く宮廷に住み、1789年の書物には給料の一部をワインで支払いを受けていたとの記載が残っています。また、贅沢に慣れ親しんだドイツの有名な詩人ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテはエスターハージーのコレクションの印象的な財宝を見て、「エスターハージーの妖精の国」と称しています。
エスターハージー侯爵家はオーストリアのパノニア地方で数世紀にわたり文化的功績を収めてきました。17世紀からワイン栽培と醸造に携わり、ハプスブルグ王朝の女帝マリア・テレジアはエスターハージー家のワインを高く評価していました。