カーサ・ヴィニコラ・ニコレッロ バローロ 2007
醗酵:ステンレス・タンク/主醗酵後、オーク樽にてマロ・ラクティック醗酵
醸造:オーク樽熟成 48ヶ月以上(5,500L スロヴェニア産 新樽比率20%)
/瓶熟成 18ヶ月以上
テイスティング・コメント
オレンジがかったエッジのガーネット。艶やかで落ち着いたローブ、粘性は高め。香りにはブラックチェリーやラズベリー、プルーン、キルシュ、バラのドライフラワー、八角やシナモンなどのスパイス、リコリスが混じり合う。加えて樽からくるバニラやオークの香り、タバコ、なめし革、紅茶、カラメル、腐葉土などの熟成香が複雑性・奥行を与える。広がりのある奥床しいブーケが魅了する。アタックはソフトでなめらか。まろやかで充実した果実感、白檀を思わせる香味を含み、エレガントな飲み口。それでいて重みのある味わいは真に伝統的なバローロの象徴とも言える。タンニンはこなれており、10年近い熟成を経るもなおそれを感じさせないしっかりとした酸度、輪郭を持つ。丸みを帯びた、しなやかでシルキーなテクスチャー、アフターには心地よい渋みとともに果実とオークのフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は牛やラム肉のロースト、牛やカツオのたたき、ハンバーグ、熟成チーズなどがおすすめ。
2016年6月試飲
カーサ・ヴィニコラ・ニコレッロ
バローロの歴史と伝統、そして土地から生まれる味わい
「ニコレッロ」社の歴史は古く、1900年初頭、ワイン造りの伝統が根付いたピエモンテ州のランゲとロエロの丘陵にワイナリーが設立されました。とても勤勉で生真面目、先祖代々ブドウ農家だったニコレッロ社のオーナー、カゼッタ氏はこの地の気候・土壌・ブドウを熟知しており、ワイン造りと自然環境への配慮、ブドウの選別には常に心を砕き、より自然なワインをつくる為に熱心に技術革新と設備投資を続けています。
また、「熟成されてこそ、ネッビオーロは真の実力を発揮する」という信念をもとに、タンニンの強い品種だからこそ大樽でゆっくり熟成させるという伝統的製法にこだわってきました。ワインは飲み頃になるまで出荷はされず、飲み頃が過ぎたものについては販売を行わないと強い信念をもっています。
ニコレッロのワインには常に強烈な情熱が感じられ、栓を開けた瞬間にその味・香り・ニュアンスの虜になってしまいます。このランゲ&ロエロ丘陵の小さな奇跡と知性が詰まっていると言っても過言ではない、彼らのワインをどうぞご賞味ください。