バーリョ・クラトロ・アリーニ マルサラ・スペリオーレ・リゼルヴァ(セッコ) NV
醸造:ソフトプレス後、低温で発酵。
ワインを蒸留したアルコール、ミステッラ、モストコットを加え、オークバリックにて10年以上熟成。
残糖分:28g/L
★評価
デキャンタ誌2014年2月号:18/20点獲得!
【テイスティング・コメント】
輝きのある淡い琥珀色。粘性は高め。香りにはシロップ漬けのアプリコットやドライイチジク、蜂蜜、バニラエッセンス、シナモン、芳しいアーモンドやナッツのヒント。凝縮感のある甘やかな香りの中にもレモンティーやオレンジピールのような爽やかなニュアンスがあり複雑でエレガントな趣。アタックはソフトでなめらか。舌上で旨みがトロリと滴るような芳醇な果実味がじんわりと口中を支配する。甘さが凝縮したドライフルーツやシナモン、トースト、アーモンド、蜂蜜を思わせ辛口にして残糖感が心地よい。味わいは濃密でふくよかなボディ感を備えており、高いアルコール感を嫌みに感じさせない柔らかさと果実のエキス分が充実している。深い味わいと持続性のある優雅な余韻が楽しめる。食前酒はもちろん食後酒、ゴルゴンゾーラやスティルトンなどのブルーチーズ、アンチョビのクラッカーなどを合わせて。
※2016年2月試飲
■バーリョ・クラトロ・アリーニ
バーリョ・クラトロ・アリーニ(旧ヴィラ・トニーノ)は1875年創立のシチリアでは最も古い家族経営のマルサラの造り手です。現在は3代目であるロベルトと、その息子であるセルジオが中心となってワイナリーを運営しています。マルサラの造り手ですが、土着品種を使ったスティル・ワインの生産にも力を入れており、「土着品種をモダンな味わいで、しかも適正価格で世界に通用するワインを造る」という目標を掲げ、コンサルタントには敏腕醸造家アルベルト・アントニーニを採用しています。
コンサルタント:アルベルト・アントニーニ氏
アルベルト・アントニーニはアンティノリやフレスコバルディ、“カリフォルニア・ワインの父”とも呼ばれるロバート・モンダヴィなど数多くのワイナリーにて活躍し、現在は醸造コンサルタントとして世界各国を飛び回っています。ワインアドヴォケイト#154でも、『マルサラの生産者だが、ネロ・ダーヴォラの生産にも努力をしており名前を覚えておく価値のある生産者である。』当ワイナリーのワインメーカーはトスカーナのアルベルト・アントニーニであり、彼の卓越した才能をワインの中に感じることが出来る。と評されています。
畑はマルサラを中心に大まかに分けて5ヶ所を所有。インツォリア、カタラット、グリッロの畑はDOCマルサラのエリア内、ジビッボはシチリアの西側、カンポレアーレより収穫されます。ネロ・ダーヴォラの畑は中央シチリアのカルタニセッタとクザティーノに位置します。バーリョ・クラトロ・アリーニでは上級ラインの「クラトロ・アリーニ」、スタンダードラインの「パッカモーラ」、カジュアルラインの「ボルゴ・セレーネ」と、顧客のニーズに合わせた3つの価格帯のワインを生産しています。
マルサラのラベルについて
クラトロ・アリーニのマルサラのラベルは、シチリア出身の建築家・デザイナーであるエルネスト・バジーレによってデザインされたものです。エルネスト・バジーレはアール・ヌーヴォー期の代表的建築家であり、南イタリア屈指の歌劇場であるマッシモ劇場や、パレルモ一美しいと言われるホテル、ヴィッラ・イジェアなど数々の有名建築を設計した人物です。
ラベルに描かれた女性は生産者から“La Damina”(貴婦人)と呼ばれており、アール・ヌーヴォーの特徴である柔らかい曲線や幾何学模様が美しく描かれ、クラトロ・アリーニが造るマルサラの特徴をイメージしたものです。