ロベルト・サロット エレーナ バルベーラ・ダルバ 2016
ご息女のエレーナさんに捧げた最高のバルベーラ
ロベルト・サロットの二番目の子供であるご息女のエレーナさんに捧げたワインです。良い年にしか造りません。バローロ村とセラー近くのロンコヌオーヴォ村のバルベーラを使用しています。50~60年の高樹齢のため非常に集約感のある葡萄が出来ます。
1週間、低温での醸しをします。ステンレスタンクで発酵させ、2ヶ月休ませます。その後、12ヶ月アメリカンオーク樽のバリック(新樽)で熟成させます。さらに、ステンレスタンクで6ヶ月、さらにボトルで6ヶ月寝かせます。特注の樽の焦がし方は、ウイスキーと同様です。ノンフィルターで瓶詰します。熟した果実の、力強く濃縮した香り、素晴らしいボディがあり、構成、酸、タンニンが見事なバランスを見せています。豊かでまろやか、スムーズで、風味が口の中に長く残ります。
評価
2016VT ルカ・マローニ ベストワイン年鑑2019: 99点獲得
テイスティング・コメント
深みのある濃いルビーレッド。香りは熟したブラックチェリーやブラックベリー、プラム、スミレのアロマが広がり、シナモンやナツメグなどスパイシーな香りがその際立った濃縮味を引きたてる。そしてバニラやカラメル、チョコ、トーストなどの芳しいオークの香りに、タバコ、皮革、ミネラルのニュアンスが複雑に混ざり合う。口に含むとふくよかで、ビロードのようになめらか。力強くジューシーなエキス分に富んでおり濃厚で、集約感がある。高いアルコール感と豊かなグリセリン分を感じつつ緻密さもあり上質なタンニンによって骨格がしっかりとしている。余韻は長く、コクと共に心地よい渋みが感じられる。合わせるお料理は、牛・仔羊のロースト、牛肉のトマト煮、ジビエ、白トリュフのリゾット、チーズフォンデュなど。
2020年3月試飲
ロベルト・サロット
ロベルトはワインスクールを卒業してから父を手伝ってきましたが、その後年間生産量6,500万本というピエモンテの大規模な醸造所の醸造長として手腕を発揮。同時にガヴィにある醸造所のワインメーカーとしても活躍しました。現在は、それらの職を辞し、彼自身の畑をバローロ、バルバレスコ、ガヴィに所有し、質の高いワイン造りを行なっています。また、6名の親しいメンバーと共同経営する醸造所のワインメーカーを務め、さらに、ワインに含まれている200種類ほどある化学成分の専門家でもあります。ロベルトがワイン造りにおいて、最優先で注意を払うのは葡萄畑です。「良いワインは畑で生まれ、セラーで育つ。」と考えているからです。所有する畑は、バローロ、バルバレスコ、ネヴィーリエ、ガヴィといったピエモンテ最高のワインを産するエリアに広がっています。
アルネイス、シャルドネ、ブラケット、ネッビオーロ、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培も行なっています。機械化によって若干は変わりましたが、基本的には伝統的な方法で葡萄を育てています。自然の生態系を守りながら、化学的なものを減らしていくことで、いつか化学的なものをゼロにしていければと考えています。収穫は10年間ほぼ同じ人に頼んでいます。自宅のあるネヴィーリエ、ガヴィ、バローロにセラーがあります。温度コントロール装置付きの発酵タンク、甘口ワイン貯蔵のための温度調節付きタンク、ニューマティックプレス、バキュームフィルター、連続式フィルター等の設備があります。マイクロフィルトレーション装置を備えたボトリングラインは1時間に2,000本のボトリングが可能です。
ロベルトは、「良いガヴィを高くない値段で」をポリシィとしています。特徴は長い発酵にあり、3~4ヶ月もかけます。その間、死んだ酵母が沈んでいて、ワインにミネラルを与えます。また、長い低温発酵のため、自然のCO2がワインに溶け込み、長くフレッシュさを保つことが出来ます。また、バローロとバルバレスコはひとつの土地として考え、クリュによる違いと考えています。どちらもネッビオーロにとって最適な土地だからです。