ジャン・フィリップ・ジャヌイクス ヴァン・ミル 2015
醗酵:開放式オーク樽(500L)
熟成:オーク樽熟成 18ヶ月(225L、新樽比率50%、うち40%シガー樽)
テイスティング・コメント
紫がかった深いルビー。ブラックチェリーやブラックベリー、カシスなど濃縮感漂う果実香に、野バラ、ミント、クローブやナツメグなどのスパイスのノートが混ざり合う。そしてバニラやビターチョコ、ココアなどの木樽由来の香りがリッチな奥行を生み、タバコ、ジャーキー、湿った土のニュアンスを持つ。味わいは丸くふくよかなボディ感。アルコール分が充実しタンニンも豊富だが、まろやかで口当たりが良い。溢れんばかりの豊満な果実味としっかりとした酸が層を成し噛めるような厚みとコクが感じられる。今飲んで(2019年8月)そのジューシーさが素直に美味しい。・・・が、さらなる熟成も大いに期待させる一本。メルロ好きは要Check! 合わせるお料理は、赤身肉料理、茸を載せた煮込みハンバーグ、角煮など。
2019年8月試飲
ジャヌイクス家
数多くのシャトーの名声を高めたジャヌイクス家
ジャヌイクス家のワイン造りは、1898年まで遡ることができ、現在、ポムロール、サン・テミリオンを中心に、ボルドー・スペリュール、コート・ド・カスティヨンなど多彩なアペラシオンを所有しています。ボルドーでは比較的小規模な生産者ではありますが、家族全員でワイン造りに関わり、深い愛情の下、高品質なワインを世に生み出しています。
ジャヌイクス家と言えばメルロの真髄と名高いポムロールの“クロ・デ・リタニ”、銘醸「ル・パン」や「ヴュー・シャトー・セルタン」に隣接する“ラ・クロワ・サン・ジョルジュ”、ファミリーの象徴“ラ・クロワ・トリフォー”。数多くのシャトーの名声を高め、揺るぎない地位を築き上げたのがジョセフ・ジャヌエックス氏です。
“ボルドー新世代”のひとり、ジャン・フィリップ・ジャヌイクス氏
今、ボルドーでは世代交代の時期を迎えています。若い新しい世代の生産者は、伝統を引き継ぎながらもその名声におごることなく、化学的にもブドウ栽培・ワイン醸造を学び、『新しいボルドー』を造り始めています。息子のジャン・フィリップ・ジャヌイクス氏も、そんな“ボルドー新世代”のひとりです。父ジョセフから、ワイン造りを引き継いだジャン・フィリップ氏は、伝統の職人技に、最先端の醸造法(開放式の木樽での醗酵、マストのパンチングダウン、澱との長期間の接触、無清澄・無濾過の瓶詰め)を取り入れました。
彼のワイン造りに対する真摯な姿勢は、“ニュー・ジェネレーション”の中でもひときわ輝きを放ち、早くも評価はうなぎのぼりです。引き継いだシャトーの品質は年々高まる一方で、並外れて困難なヴィンテージにおいても注目に値すると専門家や愛好家の間でも賞賛されています。数ある生産者の中から堂々、『ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー』にも選ばれた、今ボルドーで最も才能のある注目すべき醸造家のひとりなのです。