シャトー・ラ・クロワ・ブランシュ 2011
熟成:ステンレスタンクにて12-18ヶ月間熟成
【テイスティング・コメント】
エッジがほんのりとオレンジがかったガーネット。粘性は中程度。香りにはブラックチェリーや小粒の赤い実、プラムなどの果実香にブラックペッパーやクローブなどのスパイシーな香りがアクセント。熟成による複雑さが現れた落ち着いた印象を受け、ジャーキー、レザー、濡れた石のようなミネラルやスモーキーなニュアンスが混ざり合う。アタックはソフトでなめらか。スパイスが溶け込むジューシーな果実感、ミネラルを含む穏やかな酸味が調和。カベルネ主体らしい骨格はもちろんだが、全体に柔らかな丸みと瑞々しさが特徴的。しっとりとした舌触りでタンニンはキメ細か。このクラスのボルドーとしては上々の仕上がり。ミディアムボディでスイスイと杯が進み、気軽に楽しめる。合わせるお料理はビーフシチュー、豚の角煮、仔羊のロースト、ハンバーグ、焼きビーフンなどがオススメ。
※2016年5月試飲
■シャトー・ラ・クロワ・ブランシュ
シャトー・ラ・クロワ・ブランシュは、ガロンヌ川右岸、ボルドー市から南東約35kmのエスクッサンに位置し、アントゥル・ドゥ・メール、ボルドー近郊にシャトー・ニコをはじめとした数々のシャトーを所有するヴィニョーブル・デュブールが家族経営にて切盛りしています。1840年頃に設立されてから少しずつ畑を買い拡げてきました。「本物のボルドー・ワインをあらゆる人に楽しんでもらうこと」をモットーに、環境に優しいワイン造りを心掛けています。
この地域では、主にメルロ種が多く植えられており、ワインはフルーティーな、早く飲み頃を迎えるタイプが主流ですが、シャトー・ラ・クロワ・ブランシュに使用される葡萄はカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高いのが特徴です。生産者曰く、「カベルネのタンニンが熟成を支え、それが程よくこなれることでワインが美味しくなる。造ってすぐに飲めるメルロもいいけれど、私たちが造りたいのはそういうタイプのワインなんだ」と。カベルネを多く使うことで、骨格とタンニンのあるスタイルに仕上がります。