ル・ジェ・ド・シャトー・ギロー 2016
醗酵:80%オーク樽(シャトー・ギローに使用した1年樽)、20%ステンレス・タンク
熟成:オーク樽熟成7ヶ月
★評価
2014VT ワイン・アドヴォケイト:90‐91点獲得!
【テイスティング・コメント】
グリーンがかったレモンイエロー。粘性は中程度より高め。香りにはグレープフルーツやピーチ、洋梨のコンポート、白い花のアロマに爽やかなハーブの香りがアクセント。加えてバニラ、ブリオッシュのような上品な樽香、砕石、ミネラルのニュアンスが複雑性を与える。アタックはソフトでなめらか。柑橘類を思わせるフレッシュな果実味にやさしいバニラ、ミルキーな要素が溶け込む。ミネラルを含んだしっかりとした構造、味わいはドライでキレのよい酸が程よく引き締める。よく冷やせばスッキリ感が心地よく、また温度が上がればボリューム感、さらなる複雑味が増す。飲み心地がよく味わって、ぜひ長い余韻もお楽しみを。ソーテルヌに通じる甘い果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は寿司、天ぷら、白身魚のマリネ、ホタテのソテー、バンバンジー、中華などがおすすめ。
※2016年7月試飲(2014年ヴィンテージ)
■シャトー・ギロー
1766年にギロー家が取得して以来品質の向上が始まり、1855年の格付では見事1級に輝きました。その後オーナーの交代は何度かありましたが、ギローが劇的に変わるタイミングとなったのは1983年、グザヴィエ・プランティー氏が支配人に就任した時です。氏の指導の下、大改革が行われた『シャトー・ギロー』は厳しい選果を行い熟した果実のみを収穫することで、めざましい発展を遂げてきました。酸化防止剤(SO2)の使用も最小限に抑え補糖も禁止するなど、自然に近い造りを心がけ最高品質のソーテルヌ・ワインを生産しています。
ロバート・パーカー氏も『グザヴィエ・プランティーのおかげで、今このシャトーは絶頂期にある』と評価しています。2006年にプジョー・シトロエンのロベール・プジョー氏、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのオリヴィエ・ベルナール氏、カノン・ラ・ギャフリエールのステファン・フォン・ナイペルグ氏、ギロー支配人のグザヴィエ・プランティー氏による共同所有となりました。
100%オーガニック!格付1級シャトーで初の有機認証を獲得
近年、ワインスペクテーターやジェイムス・サックリンなど、世界的なワイン評価誌でも高く評価されているシャトー・ギロー。その秘密の一端を担うのが、有機栽培です。ギローは、1855年にメドックとソーテルヌで1級に格付されたシャトーの中で初の有機認証を取得したシャトーとして知られています。25年にも及ぶ環境保全のための栽培の結果、行き着いた結論です。
有機認証を与えられるまでには、とても長い時間がかかります。というのも、認証を与えられるためにはただ有機栽培を実践するだけではなく、それを数年実践し続ける必要があるからです。ギローでは1996年から有機栽培を始め、2007年に全ての畑で有機栽培を実践。それから、いわゆる「転換中」という認証機関の審査段階に入り、2011年に晴れて正式認証されました。
自然への尊敬と環境への配慮を大切にするシャトー
自然への傾注を通してワイン造りの哲学を表現する彼ら。完全なワインとなるためにはテロワールの力全てが必要であり、人の手によるケアと尊敬の念が必要と考えます。理想的なワイン造りを訊いた時、「日々の畑仕事やワイン造りの中にこそ自然への配慮や人間の知識、伝統は見つかるものだ」という答えが返ってきました。生物的多様性を重んじて生物をありのままの自然環境に返したいと考え、2001年からは伝統的な穂木の取り方であるマス・セレクションを実践しています。
初めて樽発酵でボルドー辛口白ワインを造ったシャトー
樽を有効に使用するのが得意なプランティー氏によって、ボルドー辛口白ワインの中で初めて樽醗酵を行ったことでも有名です。樽醗酵、澱と一緒に熟成させることで、味わい豊かで複雑味を帯びた、まろやかな辛口白ワイン、「ル・ジェ・ド・シャトー・ギロー」を造っています。