バターフィールド ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・フォラティエール 2015
斜面中腹に位置する日当たりのよい畑の恩恵を受け、果実味はふっくらと肉付きがよい。親しみやすい印象ですが、プルミエ・クリュならではのエレガンスが奥底に漂います。驚くほどバランスに優れたピュリニー。
熟成:フレンチオークの1年樽で16ヶ月後、澱とともにステンレスタンク数ヶ月
【テイスティング・コメント】
光沢のあるグリーンがかった淡いイエロー。粘性は中程度より高め。香りにはグレープフルーツやオレンジ、ピーチ、アカシア、カルダモン、アニス、ホワイトペッパー、花の蜜が混じり合い、スモーキーで塩気のあるミネラルの香りがアクセント。加えてスパイシーなオークやバニラ、ナッツのニュアンス、時間の経過とともにキャラメルのような仄かに甘い香りが現れさらなる複雑性が増す。アタックはソフトでなめらか。豊富なミネラルを伴う豊かな果実味が伸びやかに広がり、生き生きとした果実感で満たされる。柔らかで、たっぷりとした旨みのある果実味。ピーチや洋梨、シトラスを思わせオイリーなテクスチャー、ふっくらとしたボリューム感を備える。柔らかくも精緻な酸とミネラルが味わいを支えており、メリハリの効いたエレガントなスタイル。フィニッシュは力強く引き締まっており、果実とオークのフレーヴァーが持続する。フィネスとともに親しみやすさが共存する、ゆっくりと時間をかけてお楽しみを。
※2016年1月試飲(2013年ヴィンテージ)
■バターフィールド
トロント出身のデイヴィッド・バターフィールドのワインに対する情熱は、ブルゴーニュの土地とワインをこよなく愛する両親から受け継いだもの。16歳で初めてブルゴーニュを訪れた時、「決して後ろを振り返るまい。偉大なワイン造りは自分の目標なのだ」と決意したといいます。
後にデイヴィッドはフランスに渡り、まずボーヌの醸造学校で醸造を学んだ後、ドゥー・モンティーユ、ドメーヌ・ド・シャソルネイ等で更なる修行に励みました。そして、2004年にネゴシアン業を立ち上げ、2005年に念願の自らの手によるワインをようやく世に送り出すことに成功しました。彼の考えるワイン造りとは、テロワールの本質を得る事。「テロワールのエネルギーがワインの中に入っている事が重要で、そうでなければ意味がない」とまで言い切るこだわりよう。
そんな彼が初ヴィンテージでいきなり素晴らしいワインを造りあげました。生産本数わずか2400本。彼の想いが詰まった、これぞまさにムルソーと感じさせるアロマが口中に広がる、舌触りの良いワインが出来上がりました。ワイン生産者なども集うボーヌのレストランでは既に人気を博しており、大半がボーヌ内で消費され、翌年以降もボーヌ以外では見かける事が難しいワインとなってしまいました。ユニークなラベルの形の『B』は彼の想いである “Beaune”、 “Beautiful”、 “Butterfield” の頭文字を表しています。彼の『ボーヌの美しさ』を追求する情熱が詰まったこのワインは、今後も期待を裏切る事無く成長を続けることでしょう。
栽培方法
ボーヌ・ブレッサンドやムルソーの一部など、一部の区画ではビオロジックの栽培を採用。それ以外はリュットレゾネによる栽培。
醸造方法
白においては、フレッシュさを残すため、部分的にマロラクティック発酵を行わない。約12ヶ月間(プルミエ・クリュは18ヶ月)の樽熟後、軽く清澄し、フィルターをかけ、瓶詰します。また、赤においては、ブドウの90~100%除梗。区画ごとに醸造・熟成を行います。瓶詰前にフィルターはかけません。