ドメーヌ・ピエール・ルイ&ジャン・フランソワ・ベルサン シャブリ プルミエ・クリュ ボーロワ 2013
土壌:100%ジュラ紀キンメリジャン階の石灰質土壌
熟成:50%ステンレスタンク、50%樽熟成
【テイスティング・コメント】
淡いレモンイエロー。粘性は中程度。香りには新鮮なグレープフルーツやレモンなどの柑橘類、香り高いアカシア、カルダモン、八朔の皮、ホワイトペッパー、アーモンド、鉱物、火打石、ミネラルが複雑に混じり合う。樽香は控えめで、華やかさが際立つ魅力的な芳香。アタックはソフトでなめらか。ミネラルを含むエネルギッシュな果実感、それでいて繊細さを感じさせる。白桃や熟した柑橘類を思わせ、スパイス、心地よい塩気を伴う。酸やミネラルのバランスがよく、一貫してフレッシュな、且つまろやかで品のよいまとまりをみせる。雑味が無くどこまでもクリーンな印象、キレのよいフィニッシュ。余韻はとかくエレガント、果実のフレーヴァーが持続する。合わせるお料理は牡蠣や手長エビのグリル、クリームソースを使った魚や鶏肉料理、クリームパスタ、グラタン、チーズであればウォッシュや白カビなどがおすすめ。
※2016年7月試飲
■ドメーヌ・ピエール・ルイ&ジャン・フランソワ・ベルサン
1986年生まれのピエール・ルイ・ベルサン氏。12歳の頃から漠然とではありますが、ヴィニュロンとしての将来を考えていたそうです。2002年にブルゴーニュのボーヌにある農業学校で学び、2008年には世界のワイン造りを学びたいという思いからニュージーランドのセントラルオタゴのワイナリーでも研修を受けました。
その後、フランスに戻った彼は、父ジャン・フランソワとともにそれまでのドメーヌ・ベルサンから二人の名前を冠して、2010年、ドメーヌ・ピエール・ルイ&ジャン・フランソワ・ベルサンと名前も一新し親子二代で出発しました。彼らが本拠地を構えるのはシャブリを生産するヨンヌ県のサン・ブリ。ブルゴーニュ唯一のソーヴィニヨン・ブランを産出するAOCで、土壌構成はロワールやシャンパーニュ南部に似ています。
新しいドメーヌ名になって僅か数年ですが、代々家族経営でワイン造りを行ってきました。歴史は大変古く1453年、15世紀まで遡ることができます。ジャン・フランソワとピエール・ルイは、テロワールを尊重する伝統的な手法を貫いています。近代技術の進化によって、彼らは所有する20ヘクタールの畑のポテンシャルをより引き出し、新たな段階へと進み始めました。今では醸造から瓶詰めまでのすべてを衛生的で精密な作業のできるステンレスを用いた近代的な蔵で行っています。
そうして瓶詰めされたワインは11~12世紀頃に造られたという丸天井の地下カーヴでゆっくりと熟成をさせます。イギリスとの100年戦争時に塹壕として造られた、まるで迷路のように入り組んだ地下カーヴは、この地方の観光名所にもなっているほどです。ジャン・フランソワとピエール・ルイは、このサン・ブリの地で13haの白ブドウ畑と7haの黒ブドウ畑を所有しています。年間生産量はおよそ15万本。そのうち半分はイギリスやベルギー、アメリカなどに輸出されています。