オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴ ブルゴーニュ シャルドネ 2015
テイスティング・コメント
黄金がかった淡いイエロー。粘性は中程度より高め。香りにはアプリコットや白桃、洋梨のコンポート、柑橘類の花のアロマに木樽由来のバニラやトフィー、焦がしキャラメルなどの芳しい香りがアクセント。加えてヘーゼルナッツや溶かしバターなどの香り、火打石やチョーク、ミネラルのニュアンスが複雑性を与える。アタックはソフトでなめらか。ミネラルを含む凝縮した果実味で、味わいはしっかりとドライ感。その中にも甘みを感じるほどの旨味が集約されており、まろやかなコクが備わっている。フルーティーにして気高くもあり、実直で芯の通ったバランスのよいワインに仕上がっている。フィニッシュのキレが良く、木樽由来の芳しさがアフターへと抜ける。合わせるお料理は、豚や鶏肉のソテー、鯛の塩釜焼、帆立のカルパッチョ、ゴルゴンゾーラのリゾットなど。
2018年4月試飲
オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴ
オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴは、シャサーニュ村に本拠地を置き、当主はフランシーヌ・ピカール女史。シャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェを所有する大手メゾン、ファミーユ・ピカール社の娘です。フランシーヌは同社が所有する畑の中から最良の区画のみを選出し、実験的にビオロジック・ビオディナミ栽培を実践してきました。それらの畑をメゾン部門と完全に切り離し、高品質のワインを生産するドメーヌを創立する構想が持ち上がりました。
フランシーヌがまず行なったのは、メゾンの醸造スタイルを一新し、ワインの品質を飛躍的に向上させる事でした。約2年間の歳月を費やし、新生Famille Picardとしてまずメゾンを見事再スタートさせました。そしてこれを機に、今まではメゾンのワインにブレンドされていたピュリニーやシャサーニュ等の最良の畑を携え、メゾンとは全く独立させた形でドメーヌを立ち上げたのです。こうしてメゾン・ピカールの3代目フランシーヌ女史を当主にドメーヌ・オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴが誕生しました。ファーストヴィンテージは2010年です。
ドメーヌの所在はシャサーニュ・モンラッシェ村。栽培醸造はフランシーヌ・ピカール氏とメゾン新生の立役者でもあるファブリス・レーン氏などを含む4名のスタッフで行われます。ファブリス氏はBouchard Pere & Fils社で白ワインの醸造責任者を歴任。その後、Maison Nicolas Potelでニコラ・ポテル氏の片腕として辣腕をふるい、退社後、それまでの華々しい経歴をかわれドメーヌに招聘されました。サン・トーバン、シャサーニュ、ピュリニーに15haの葡萄畑を所有し、レ・ヴェルジェ、レ・カイユレ、ル・ドモワゼルなどの1級畑はベルナール・コランから買い取りました。手付かずの自然の状態であった畑を、2006年よりドゥ・セニュール氏(25年以上のキャリアを持つ南仏のビオディナミスト)をコンサルタントに迎え、ビオディナミ農法を慣行。一部のピノ・ノワールの畑を除き2013年にはすべての畑をビオディミに移行します。
フラッグシップとなる、PULIGNY MONTRACHET 1er LES DEMOISELLES/ピュリニー・モンラッシェ1級レ・ドモワゼルは特級畑のル・モンラッシェとシュヴァリエ・モンラッシェに隣接する最上級の区画。その昔は『レ・ドモワゼル・モンラッシェ』としてリリースされていた事実上のグランクリュです。イギリスの著名ワインジャーナリストJancis Robinson女史が既に大変高い評価をしており、また、R.Parker.comのテイスターのDavid Schildknecht氏、Michel Bettane氏等、世界を代表するジャーナリストが噂をききつけて、ドメーヌまで訪問をしています。今後、より一層注目を集める生産者の一人です。