クリストフ・シュタインマン シルヴァーナー Q.b.A. トロッケン 2014
テイスティング・コメント
グリーンがかったレモンイエロー。香りには新鮮な青リンゴやメロン、洋梨、マンダリンオレンジ、ドライアプリコット、白い花、グリーンハーブ、石、塩気、ミネラルのノート。清涼感に溢れており洗練された趣、鉱物のニュアンスがありやや複雑。アタックは爽やかで豊富なミネラルを含み、シトラスやアプリコットの風味が伸びやかに広がる。瑞々しくも酸味は穏やか、それでいて締りがよく良い意味でニュートラルな、バランスの良さが光る。さっぱりとしたキレの良さを身上に、軽快にして程よいボディ感を備える。果実味とミネラルの融合、「旨み」がしっかりと存在し、新鮮な果実感はそのままに見事に甘さが抑えられている。辛口で、スッキリとしたフィニッシュ。合わせるお料理は、お刺身やお寿司、天ぷらなど素材を生かした繊細なお料理がおすすめ。日本酒好きの方にもぜひ飲んでいただきたい淡麗辛口の白。
2016年10月試飲
クリストフ・シュタインマン
辛口白ワインの名産地で知られるフランケン地域は、独特のボックスボイテルと呼ばれる丸いボトルに瓶詰されることで有名です。3億年前は海であったこの土地。地殻変動によりこの三畳紀の貝殻石灰層が隆起し、非常にミネラルに富んだ土壌になっています。ほかの土地ではあまり特徴を発揮しないシルヴァーナーというブドウ品種もフランケンでは個性を最大限に発揮しています。海のミネラルたっぷりで魚介類や根菜などの素材の味を生かしたエレガントなお料理にぴったりです。
そんなこの地で何代にもわたって家族経営を行ってきたのがシュタインマン。現当主のクリストフさんは全世界のシルヴァーナーが集まるシルヴァーナー・フォーラムにて二度にわたりデイリーワイン部門で最優秀賞に輝く、知る人ぞ知る地元の雄です。
素材を生かした繊細なお料理、和食全般に
ワインはぶどうから造られているため果実味が強く、日本食にぴったりのものにはなかなかめぐり合えません。特にお刺身等には生臭さを引き出してしまうため、ワインは避けられがちです。しかしながらこちらのワインは、この地独特の風土により、果実味を抑えた厳格な造りとなっています。日本食の繊細さを損なわず、しかも飲み手を飽きさせないしっかりとした個性を主張します。ゆっくりと心にしみてくるような味わい深いワインに仕上がっています。