アロガント・フロッグ ソーヴィニヨン・ブラン 2015 ジャン・クロード・マス
醗酵:ステンレスタンク
熟成:ステンレスタンクにて3ヶ月間熟成
【テイスティング・コメント】
グリーンがかった淡いレモンイエロー。粘性は中程度。香りの構成としてはシンプルで、グレープフルーツや八朔などの柑橘類、スイカズラ、ハーブ、トマトの葉、ほろ苦いミネラルが混じり合う。僅かながらスモーキーなニュアンスが香りの幅を広げ、よりフレッシュな果実香を際立たせる。アタックは爽やかでなめらか。フレッシュ果実が口中に弾けるようなジューシーなエキス分に溢れ、溌剌とした酸味が心地よい。口中隅々まで風味が行き渡る、伸びやかで軽快な飲み口。透明感のあるキレの良さ、フィニッシュはさっぱりとしたエレガントなスタイル。合わせるお料理は魚介を中心としたお料理、マーボ豆腐、野菜サラダ、おでん、バンバンジーなどがおすすめ。
※2015年8月試飲
■アロガント・フロッグ
何故カエル? カエルのワインの由来とは
アロガント・フロッグ、日本語に直訳すると「傲慢なカエル」というこの一風変わったネーミングには、造り手であるジャン・クロード・マス氏の挑戦状とも言える、熱い想いが込められています。
「アロガント・フロッグ」という言葉は、フランスワインの歴史と伝統にあぐらをかき、「フランスワインこそ一番だ!」とふんぞり返っているうちにすっかりニューワールド・ワインに後れを取ってしまった、時代遅れなフランスのワイナリーのことを指したニックネーム(欧米風の風刺的ユーモアですね)。そしてジャン・クロードはあえてこの「傲慢なカエル」に自分を重ね、ニューワールド・ワインさながらのユーモアたっぷりのラベルのボトルに、ニューワールドの技術やノウハウを採り入れて進化したワインを詰め、アロガント・フロッグという「挑戦状」を世界に叩きつけたのです。「俺たちカエルの底力を見ろ!」と言わんばかりに。
ちなみにラベルに描かれている紳士な身なりのカエル。実はこれ、ジャン・クロード・マス氏本人が自らを描いた風刺画(もちろん顔は全く似ていません)。必ずしもカッコイイとは言えないラベルの裏側には、自信たっぷりの美味なるワインが眠っています。
新世界の発想で、旧世界のワインを
アロガント・フロッグのコンセプト
"OLD WORLD WINES WITH NEW WORLD ATTITUDE" (新世界の発想で、旧世界のワインを)
「カエルのワイン」ことアロガント・フロッグが生まれたのはフランス南部、地中海に面したラングドック地方です。トー湖を見下ろすエロー県の丘陵部にある、砂利、粘土、石灰質など様々な種類が混ざった複雑な土壌の畑で、必要最小限の化学肥料・農薬しか使わない「リュット・レゾネ」と呼ばれる農法で育てられたブドウが使われています。アロガント・フロッグを作るマス家はモンペリエ近郊の小さな町、サン=ポン=ド=モシアン発祥の、100年以上続くブドウ栽培農家です。現オーナーのジャン・クロード・マス氏がワイナリーを大きく拡げた90年代後半以降も、ラングドック地方の伝統的なワイン造りが守り続けられています。
それと同時に、ジャン・クロードはニューワールド(ワイン後発国を指す)で発展してきた最新のワイン醸造技術も柔軟に取り入れています。この柔軟さは彼の経歴によるところが大きいようです。大学で経営学を学んだのち、北フランスではワインクラブを、イギリスではオーガニックワインの輸入会社を立ち上げ、その後渡米しフロリダでフランスワインの振興に努め、さらに90年代前半にはボルドーの有名シャトー、パプ・クレマンやタルボでワイン造りを体得します。世界中を飛び回り、多くの経験をしてきたジャン・クロードだからこそ、ニューワールドの技術やノウハウを取り入れることができたのです。