ドメーヌ・ベルトー ブルゴーニュ・ルージュ レ・プリエール 2014
畑・土壌:1ha 石灰岩、泥灰土。AOCフィサンの境界線に位置する区画
樹齢:1980年に植樹
【テイスティング・コメント】
紫がかったルビー。粘性は中程度。香りにはラズベリーやレッドチェリー、プラム、梅、ピンクペッパー、レモンティー、石灰的なミネラルが混じり合う。続いて爽やかな酵母、なめし革の香り。樽香は主張し過ぎず軽いトーストやコーヒーのニュアンスが加わる。アタックはソフトでなめらか。ジューシーな果実味はミネラルを含み、幾分かちっとした骨格をもつもしなやか。輪郭のある豊かな酸味が味わいを支えるエレガントなスタイルでどこまでもピュア、アロマ同様に過熟感のない洗練さが光る。現時点では酸度がやや高めだが(私的それが心地よかったりもする)熟成のポテンシャルを考慮するならば非常にお買い得なACブル。二日目、三日目と上品かつフレッシュな味わいが楽しめる。先を見て楽しむならばストック買いがおすすめ。まずは飲んでみて、飲み頃時期の見極めを楽しむのも良し。合わせるお料理は(現時点)、ポン酢を使った料理、鴨肉や牛肉のロースト、まぐろのタルタルソース和え、カツオのたたき、治部煮、寿司などがおすすめ。
※2016年9月試飲
■ドメーヌ・ベルトー
マルサネ村とジュヴレ・シャンベルタン村に挟まれたフィサン村を本拠地とするドメーヌ・ベルトー。その歴史は19世紀の終わり、数ヘクタールのフィサンから始まりました。1974年、現当主のアメリー・ベルトー氏の父ドゥニとその兄ヴァンサンらがベルトーを相続し、フィサンを中心に畑を拡大し、ワイン造りを行ってきました。27歳という若さで(1988年3月生まれ)ドメーヌ・ベルトーの当主となったアメリー・ベルトー氏は、ボルドーで醸造学を学んだ後、アメリカやニュージーランドでの研修を積みました。彼女で7代目となり、2013年がファーストヴィンテージになります。
フランソワ・ジェルベから一部の畑を相続
アメリーは父ドゥニのドメーヌを引き継いだのと同時に、母方であるフランソワ・ジェルベからも一部の畑を相続しました。フランソワ・ジェルベと言えば、ご存じヴォーヌ・ロマネ村の銘醸で、相続した畑にはジェルベの代名詞ともいえるヴォーヌ・ロマネの一級畑プティ・モンや特級畑のエシェゾーが含まれています。今日では、フィサンを中心にジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネなど全て合わせて13ヘクタールの畑を所有しています。
栽培と醸造 畑はビオロジックで管理
畑はビオロジックで管理しています。テロワールを尊重した安定した土壌のもとでブドウは栽培されています。殺虫剤の使用は制限を設け、土には化学薬品を使用していません。除葉、グリーンハーヴェストによりブドウの成熟が最適になるように風通しを良くしています。醸造は厳しい選果の後、コンクリートタンクにて発酵させます。約5日間の低温マセラシオンを行い、天然酵母による発酵。1日2回のルモンタージュ、発酵の最終段階でピジャージュして優しく抽出します。約5日間のポスト・マセラシオン(発酵後浸漬)。ほぼ全てのワインは1,500~3,000リットルの大樽(フードル)でマロラクティック発酵。熟成は新樽をほとんど使用せず、最大で24か月と比較的長い熟成期間を要します。
マイナー産地フィサンからアペラシオンを牽引するドメーヌが誕生
優れたブルゴーニュを発掘してきたワイン商セルベ社のワッサーマンやブルゴーニュ・オージュルデュイ誌といったフランスでも名高いメディアが、彼女のワインについて絶賛しています。
ワッサーマンによる称賛の言葉
『フィサン村は長らく旗艦となるドメーヌを渇望していました。そして今、アメリーの手によって、ベルトーがフィサンを牽引するドメーヌへと戴冠するのです』。
ブルゴーニュ・オージュルデュイ誌
「ブドウ畑の未来の星」というテーマで当主アメリー・ベルトーを『ブルゴーニュの新しい世代を象徴する人物』として紹介。