ドメーヌ・パラン コルトン・ブラン グラン・クリュ 2003
ラドワ・セリニー側Le Rognet(ル・ロニエ)という区画。コルトン・シャルルマーニュの名前でリリースすることも可能ですが、あえてコルトン・ブランとしてリリースしています。
醗酵:オーク樽
熟成:オーク樽にて14~16ヶ月
【テイスティング・コメント】
黄金がかったイエロー。粘性は中程度より高め。香りにはアプリコットやマンゴー、リンゴのコンフィ、イチジク、ライム、アニス、白い花のアロマにオークエイジングによるスモーキーな香りがアクセント。トーストや燻煙、マッシュルーム、焦がしキャラメルなどの香り…、奥から蜂蜜のような仄かに甘い香りが現われ複雑さを呈している。他に濡れた石、塩気、ミネラルのニュアンスがあり品の良い趣。アタックはソフトでなめらか。ふくよかな果実味がスムーズに染み渡り、エレガントで美しいストラクチャーを感じさせる。酸味は穏やか、過熟感のないドライ仕立て。ふわりと舞う浮遊感すら覚えるも核たる部分にはしっかりと旨みが凝縮されている。杯を重ねるたびにその複雑さ、味わい深さに浸り酔いしれる。アフターの余韻は長く、ナッツオイルや果実、オークのフレーヴァーが持続する。飲み頃温度はやや高めの12~14℃がおすすめ。合わせるお料理は、ブール・ブランソースを添えたエビや鯛のロースト、鴨肉のロースト、鶏のクリーム煮、ふぐ料理、寿司、白身魚の天ぷらなどがおすすめ。
※2016年10月試飲
■ドメーヌ・パラン
パラン家は1600年代初頭まで遡ることが出来る由緒ある家柄。語り継がれるエピソードとして最も有名なのは、独立宣言の起草者で第3代アメリカ大統領として知られるトーマス・ジェファーソンが、まだフランス大使だったときにブルゴーニュ地方に立ち寄り、同家のワインを気に入り、かなりの量をアメリカに運ばせた、というもの。
1803年、ヴォルネイからポマールに移り、ドメーヌ・パランを設立しました。1947年、当時19歳だったジャック・パランは父マキシムのドメーヌで働き始め、1953年には指揮をとり、ネゴシアン業も始めました。今日、ドメーヌはパラン家の姉妹であるアンヌとカトリーヌによって運営され、17世紀に始められた一族のワイナリーの伝統を継承しています。
畑はおよそ10ヘクタールに渡り、その大部分はコート・ド・ボーヌの赤ワインを産出します。パランが最も力を入れているのはポマールのワインですが、コルトン、ラドワ、ボーヌ、モンテリーといったアペラシオンも生産されています。葡萄は、酸化鉄によって赤色に染まった粘土石灰質土壌で育てられます。この土壌によって、ピノ・ノワール種の特性が充分に引き出されるのです。畑では一貫して有機栽培を採用しており、収穫はすべて手摘みで行います。収穫された葡萄は、厳しく選果した後、除梗されます。温度管理をした状態で12~20日間の発酵を行います。そしてワインはフランス産のオーク(新樽比率30~60%)で熟成されます。
アンヌ・パランは地元に密接な関わりを保ち、高い評価を受けています。ワイン造りの信条は、ピュアで複雑な構造を持ち、エレガントで力強い味わいを備えていることです。その卓越したワインの質は、一族に受け継がれた厳格な仕事の結晶だと言えるでしょう。