ドメーヌ・ラトゥール・ジロー ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ シャン・カネ 2011
【テイスティング・コメント】
黄金がかった淡い麦わら色。粘性は高め。熟したグレープフルーツや洋梨、リンゴ、カリンのコンポート、白い花のアロマに樽由来のバニラやトースト、炙ったアーモンドなどの芳しい香りがアクセント。続いてバター、蜂蜜のニュアンス。ミネラル香が強く現れており、砕石やチョークなどの香りが複雑に混じり合う。華やかな芳香、エレガントで奥行がある。アタックはソフトでなめらか。凝縮した果実味をもつふくよかなボディ、その中にもミネラルがビッシリと詰め込まれており、適度な酸味が心地よい。一貫してピュアな果実感、それでいてスッと筋が通っており品よくまとめられている。味わいは今もなお爽やか、優雅さとしなやかさを併せ持つ。合わせるお料理はクリーム系の鶏や豚肉料理、オマール、魚の網焼きや蒸し焼き、天ぷら、寿司などがおすすめ。
※2016年9月試飲
■ドメーヌ・ラトゥール・ジロー
コート・ド・ボーヌの中でも素晴らしい白ワインを生み出すムルソーに拠を構えるラトゥール・ジロー。歴史は古く、17世紀後半にまで遡ることができ、16代に渡ってワイン造りを行っています。19世紀ごろ、ジロー家は長い間、ムルソーのオスピスでフィーヌやマールといったブランデーの蒸留をしていました。現当主、ジャン・ピエール氏がボーヌ、ディジョンで醸造・理工学を学び、ドメーヌに戻った80年代から、本格的にドメーヌ元詰めを開始。葡萄の栽培からワインの醸造まで、すべてジャン・ピエール氏によって指揮されており、1994年以降、全てのワインはノン・フィルターにて造られています。
ジャン・ピエール・ラトゥール氏のこだわりは、「限りなく自然に近いワインを追求すること」で、2008年から有機栽培に完全に移行しました(認証なし、認証取得予定なし)。ラトゥール・ジローでは現在10haの畑を所有しており、その80%が白ワイン、20%が赤ワインの畑です。その大部分はムルソーの5つの一級畑、ジュヌヴリエール、シャルム、ペリエール、ブシェール、ポリュゾに位置しています。
醸造学を身に付けた現当主ジャン・ピエール氏がドメーヌに参加してからは、ステンレス・タンク醗酵等の近代技術を導入し、世界中で人気が急上昇しています。ヨーロッパやアメリカでは近年トップ・ドメーヌの仲間入りを果たしたスーパー・スターとして注目されています。