ファミーユ・ペラン シャトーヌフ・デュ・パプ レ・シナール・ルージュ 2012
100%大樽で1年間熟成。ボーカステルの若樹と、ボーカステルの西側のオランジュに植えた畑のブドウを使用しています。グルナッシュ主体のクラシックなシャトーヌフで、フレッシュでソフト、洗練されたタンニンと美しいチェリーのフィニッシュを伴います。
【テイスティング・コメント】
エッジがややオレンジがかった濃いルビー。粘性は高め。香りにはブラックチェリーやラズベリージャム、キルシュ、ドライイチジク、ラベンダー、リコリスが混じり合い、ローズマリーやペッパーなどのスパイシーな香りがアクセント。加えてローストしたオーク、紅茶の葉、タバコ、皮革、石、ミネラルのニュアンスが複雑性を与える。アタックはソフトでなめらか。しっとりとした艶やかな果実味で熟した赤や黒のベリー、プラム、スパイス、仄かにアニスのトーン。豊満な辛口に仕上げ、アルコール感のある力強い酒質ながらしなやかさを兼ね備えており、ミネラルを伴う洗練されたテクスチャーと心地よい風味の広がりをもつ。タンニンはキメ細かく、酸味は穏やか、味わいがぶれない品の良い骨格が感じられる。エレガントなフルボディ、甘美かつスパイシーなフレーヴァーが持続する。合わせるお料理はローストビーフ、牛肉の赤ワイン煮込み、すき焼き、チーズであればウォッシュタイプかブルーチーズがおすすめ。
※2016年3月試飲(2011年ヴィンテージ)
■ファミーユ・ペラン
ペラン・ファミリーは南ローヌの主要アペラシオンに300ヘクタール以上の畑を所有し、個々の品種が最も適したテロワールを見極め、古くからオーガニック栽培を実践しています。その歴史は1909年にシャトー・ド・ボーカステルを購入したことから始まり、3代目のジャック・ペランが全ての基礎を築きました。4代目のジャン・ピエール・ペランはコストパフォーマンスの高いネゴシアン・ブランド、ラ・ヴィエイユ・フェルムを発売し、1989年にはカリフォルニアのボーカステルとも言えるタブラス・クリークをリリースしました。時代とともに革新を続けながらも、「ワインは自然の力だけで造るもの」というポリシーを貫き、父から子へと家族の伝統を受け継いでいます。
北ローヌと南ローヌの違い
時にローヌはボルドーやブルゴーニュのグラン・ヴァンをも凌ぐ品質のワインを産み出します。南北200kmあるコート・デュ・ローヌの中でも北ローヌと南ローヌではテロワールが全く異なります。北ローヌは大陸性気候でシラー主体のワインを産出します。また南ローヌはプロヴァンスの一部で地中海性気候です。グルナッシュを主体とした多品種構成により個性豊かなワインが多く存在します。