シャトー・オー・モンプレジール プレスティージュ・カオール 2011
醗酵:コンクリートタンクにて主醗酵後、MLF
熟成:フレンチオーク樽にて18カ月間(225L、新樽比率33%)
★評価
2011VT ワイン・エンスージアスト:93点獲得!
【テイスティング・コメント】
黒みの強い深いガーネット、エッジは僅かに紫が見られる。粘性は強め。香りには完熟した黒系果実、八角やシナモン、ブラックペッパーなどのスパイス、スモーキーなオークのノートが混じり合う。仄かにバニラや白檀の香り、香ばしいエスプレッソ、熟成によるタバコ、皮革、ジャーキー、土っぽいニュアンスなどが次々と現れ複雑性に富む。アタックはしなやかで球体的なテクスチャー。力強いタンニンと上品な酸味、果実味が綺麗に溶け込み、非常になめらかな舌触り。ミネラル感のある、未だフレッシュな果実味。オークの風味がよく馴染み、味わいはリッチで、アフターテイストには心地よい渋みとほろ苦さ。しっかりとした骨格とともにエレガンスが感じられる。合わせるお料理はローストした赤身肉、スパイスを効かせた肉料理、ジビエ、スパイシーなハム・ソーセージなどがおすすめ。
※2016年10月試飲
■シャトー・オー・モンプレジール
かつて協同組合にブドウを供給していたフルニエ家(ダニエル&キャサリン・フルニエ夫妻)は、彼らの畑、そしてブドウのポテンシャルがとても高いことに気付き、1998年に自らのワイナリーを立ち上げました。彼らはカオールの強い個性を残した新しいテイストのワイン造りを目指し、“マルベックの天才”として世界的に評価の高いシャトー・デュ・セドルのオーナー、パスカル・フェラージュ氏を醸造家に迎え入れました。アペラシオンに認められているメルロやタナを使わずにマルベックだけで造ったワインですが、そのなめらかさでカオールのイメージを一新。現在、南西地方で最も勢いのある生産者として注目度No.1のドメーヌです。
“マルベックの天才”、フェラージュ氏によるモダン・カオール
醸造家のパスカル・フェラージュ氏は、マルベックの天才醸造家として世界的に評価が高く、パーカーが“エクセプショネル EXCEPTIONEL”として最高の5ツ星をつける程の醸造家です。
実家はカオールのワイナリーでしたが、学生時代はワインに全く興味が無くバイクに熱中していました。ですが、ツーリング中に偶然立ち寄ったブルゴーニュで『ヴェルジェ』のオーナー、ジャン・マリー ギュファン氏と出会い「まるで雷に打たれたような感銘」を受けて、そのままマコンに残り修行をします。1984年には醸造学も修め、その後ナパの『セインツベリーエステイト』などで活躍した後、故郷のカオールに戻り一躍頂点に君臨します。
スピリット・・・シャトー・オー・モンプレジールでは、有機栽培を実践し、2012年に認証を取得しました。2000年以上の歴史を持つカオールのマルベックは、今や世界的に知られるようになりましたが、品種の個性はカオールでこそ最大限に引き出されるものです。「黒ワイン」という異名を持つほどリッチでパワフル、ベルベットを思わせるなめらかなタンニン、そして生まれ持った酸に由来するフレッシュさを兼ね備えています。
醸造家:パスカル・フェラージュ氏