ロベルト・サロット バルバレスコ・リゼルヴァ 1999
毎年古いヴィンテージのバルバレスコの一部を一番良い状態になったときに出そうと考えて、売らずにキープされていたものです。熟成は伝統的なスラヴォニア産の樽で48ヶ月以上、その後セメントタンクとステンレスタンクに入れられ、セラーにて管理。
テイスティング・コメント
エッジが朱色がかったガーネット。粘性は高め。香りはブラックチェリーやイチジクのコンフィ、プルーンにバラのドライフラワー、シナモン、紅茶、リコリスのノート。そして芳しいオーク、クローブやタバコなどのスパイシーなニュアンスが加わり、芳醇でその奥行が増していく。腐葉土、なめし革、ジビエ、ジャーキーなど次々にあらわれる複雑なブーケ。アタックはソフトでなめらか。口中に豊かな味わいが広がり、程よいボリュームとコク、アルコール分を備えている。リッチで、スパイスが効いた辛口。20年の歳月を経るが酸味は今もなお凛々しく、ミネラルとともに味わいを支える緻密な構造。浮かび上がるような旨みとエキス分が充実し、こなれたタンニンが溶け込んでいる。いやはや20年ものとは思えないくらいの麗しさ。1998もよかったが、これは(1999)!余韻の長さも突出し、価格を考慮してもお買い得の逸品。ネッビオーロ・ラヴァーはぜひご賞味を。合わせるお料理は、牛や仔羊肉のロースト、ビーフシチュー、ジビエ、赤身魚のカルパッチョ、ジェノベーゼのパスタなど。
2019年1月試飲
ロベルト・サロット
ロベルトはワインスクールを卒業してから父を手伝ってきましたが、その後年間生産量6,500万本というピエモンテの大規模な醸造所の醸造長として手腕を発揮。同時にガヴィにある醸造所のワインメーカーとしても活躍しました。現在は、それらの職を辞し、彼自身の畑をバローロ、バルバレスコ、ガヴィに所有し、質の高いワイン造りを行なっています。また、6名の親しいメンバーと共同経営する醸造所のワインメーカーを務め、さらに、ワインに含まれている200種類ほどある化学成分の専門家でもあります。ロベルトがワイン造りにおいて、最優先で注意を払うのは葡萄畑です。「良いワインは畑で生まれ、セラーで育つ。」と考えているからです。所有する畑は、バローロ、バルバレスコ、ネヴィーリエ、ガヴィといったピエモンテ最高のワインを産するエリアに広がっています。
アルネイス、シャルドネ、ブラケット、ネッビオーロ、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培も行なっています。機械化によって若干は変わりましたが、基本的には伝統的な方法で葡萄を育てています。自然の生態系を守りながら、化学的なものを減らしていくことで、いつか化学的なものをゼロにしていければと考えています。収穫は10年間ほぼ同じ人に頼んでいます。自宅のあるネヴィーリエ、ガヴィ、バローロにセラーがあります。温度コントロール装置付きの発酵タンク、甘口ワイン貯蔵のための温度調節付きタンク、ニューマティックプレス、バキュームフィルター、連続式フィルター等の設備があります。マイクロフィルトレーション装置を備えたボトリングラインは1時間に2,000本のボトリングが可能です。
ロベルトは、「良いガヴィを高くない値段で」をポリシィとしています。特徴は長い発酵にあり、3~4ヶ月もかけます。その間、死んだ酵母が沈んでいて、ワインにミネラルを与えます。また、長い低温発酵のため、自然のCO2がワインに溶け込み、長くフレッシュさを保つことが出来ます。また、バローロとバルバレスコはひとつの土地として考え、クリュによる違いと考えています。どちらもネッビオーロにとって最適な土地だからです。